ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
Temporary Exhibition Gallery Permanent Exhibition Gallery Cafe Outline & Access Momogusa Original Masanobu Ando's Work Akiko Ando's Work Published Momogusa Blog.
   

 

 

糸・布・衣展]
40th mon Sakata

坂田敏子 安藤明子

2017.4.22(土)- 5.7(日)
11:00 - 18:00
会期中無休

作家在廊日
坂田敏子   4.22(土)14:00 − 18:00
        23(日)13:30 − 15:30



  『40th mon Sakata 3.6 』   
 

 

■トークショー
「40th mon Sakata 」


日 時|4月23日(日) 13:00-14:30
場 所|百草にて
参加費|無料
話し手|坂田敏子 安藤雅信 安藤明子
進 行|土田眞紀

 

 

毛麻スナップトリプルセーター
   
 

「糸・布・衣展 ]回」によせて
「体に一番近いうつわ」

 

シンプルイズベストがモットーで、古道具坂田の片隅を借りて子供服を始めてから気がつけば40年も経ってしまいました。
と同時に「糸・布・衣展」もスタートしてから20年になっておりました。
20周年の記念に、mon Sakataで始まった企画展でした。
 
初回開催の前、私宛に「サロンの定義」をしたためた手紙が届きました。明子さんの信念と情熱があふれていました。
その思いがこうして10回目を実現させて下さった事に感謝致します。その手紙を携えて百草に赴きたいと思ってます!

振り返れば、第1回の時、明子さんの作るサロンは古布オンリーでとても魅力的な衣服でした。生地使いのこだわりが伝わってくる作品でした。
mon Sakataのニットも無彩色一辺倒でニットの特性を利用したビッグで直線の形が多かったように思います。
両者とも、ある意味ストイックさを感じる削ぎ落としたデザインでした。
それから20年、サロンの着方もおさえるところはおさえながらもとても自由で楽しくなり、お互いにカラフルで軽快へと変化していると感じています。

今年40周年記念に「40th mon Sakata 3 .6」という400頁の本を作りました。1頁に写真1枚。
この本の出版のきっかけとなったのは、残糸を並べて生まれたカラフルな配色柄のカーディガン作りでした。
いろいろな組み合わせを考えるのは楽しく、作り続けました。これからも、残糸があるかぎり続けたい仕事になりました。

ペラッとしたTシャツにこなれたパンツを何気に着ているのが一等オシャレかな?
されど変わらない「糸好き・布好き・衣好き」。
素材を前にすると服作りの別スイッチがON!


mon Sakata 坂田敏子

   
 

坂田敏子

1977  古道具坂田の一角に子供服mon Sakataを始める
1983   独立して目白通りに移り、大人の服が中心となる
1997   新装mon Sakataに於いて20周年記念「糸・布・衣展」 浦京子・安藤明子・坂田敏子
1999   「糸・布・衣展」二回目の展覧会を百草で開く
2001  「服展」(糸・布・衣展) 坂田敏子・安藤明子 百草にて
2002  25周年を記念して『Sanmarutenjiku Fit T』を出版(編集・山口デザイン事務所、撮影・奥秋貴子)
2003  「レンテンの藍」展 mon Sakataにて
2004   「糸・布・衣展W」 坂田敏子・鈴木かつ子・安藤明子 百草にて
2005   「レンテンの藍U」 百草にて
    建築家の中村好文さんに誘われ「欲しかったモノできた」展のメンバーに参加 家具のデザインをする
    「Sanmarutenjiku Fit T」展 やまほんにて
    本に掲載されている物に加え、新たに残糸で遊んだものを展示
2006   「糸・布・衣展X」百草にて
2007   30周年記念「dhuta bag30-それぞれのdhuta bag-」展
2008   「坂田さんの引きだし」展 沼田塾にて 30年間のダイジェスト版インスタレーション
2009   「as it isを編む・つなぐ」展 museum as it isにて
2011 「フロシキ+ザブトン」展 mon Sakataにて(2月)山下カバンにて(4月)
     「糸・布・衣・展Z」 “KIMAWASHI”坂田敏子・平澤まりこ・安藤明子
2012   『編む・つなぐ 糸のヨリミチ』(アノニマスタジオ)を出版
2013   「糸・布・衣展 [」坂田敏子・吉沢小枝・安藤明子 百草にて
2015 「糸・布・衣展 \」坂田敏子・吉沢小枝・安藤明子 百草にて
2017 40周年記念『40th mon Sakata 3.6 』を出版(編集・山口デザイン事務所 写真・奥山晴日)

   
     
 

ファイユ ワンピース(裾から単サロン 薄地コットンリネン白を覗かせて)

60タイプライター dhuta bag 

 

 

 
 

服は詩のごとく。坂田敏子さんについてこう書いたことがある。百草で四回目の「糸・布・衣展」が開かれたときで、坂田さんの服は何が違うのだろうと考えていて、思いがけず出てきたのがこの言葉であった。それ以前から坂田さんの
服作りの背後にあるものを垣間見る機会が何度かあったが、そのなかでも特に印象に残ったのは、『Sanmarutenjiku Fit T』の色とりどりのお味噌が並んだ写真、仕事場の壁に押ピンで留められていた型紙、そこで見せていただいた日本の古い仕事着等を紹介した本、目白の隠れ家的な空間の奥から登場した自家製のぬか漬、洗濯機を廻した後に残る糸屑、着古して見事に穴の開いたTシャツなどである。ある時、坂田さんの服を「詩のごとく」と感じたのは、坂田さんにとって服だけが特別なのではなく、味噌や漬物、糸屑や型紙や着古したTシャツの穴が、服とひと続きの同じ時間を生きているからではないかと気づいた。
詩もまた決して非日常から生まれるわけではない。詩人もまたぬか漬を食べ、穴の開いたTシャツを着ているかもしれない。少なくとも詩の言葉も何ら特別な言葉ではなく、人々が日常会話をしているのと同じ言葉であることはまちがいない。しかしそうした日常から、ある時ふと言葉がこぼれ落ちて詩の種となる。mon Sakataの服も同じように坂田さんの日常からふと生まれてくるものであるように思う。

 

土田眞紀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土田 眞紀

1960年、大阪生まれ。帝塚山大学・同志社大学講師。
大阪大学大学院にて西洋美術史を専攻。1987年から1999年まで三重県立美術館に学芸員として勤務。
その後はフリーで展覧会企画や執筆活動に携わる。
専門分野は、近代美術史、工芸・デザイン史、工芸論。現在は「民藝」を提唱した柳宗悦の工芸論を中心に研究を進めている。
主な著書『さまよえる工藝――柳宗悦と近代』(草風館、2007年)
主な展覧会企画「20世紀日本美術再見」シリーズ(三重県立美術館、1995年〜)、「柳宗悦展」(三重県立美術館、1997年)

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mon Sakata*momogusa コラボレーションサロン“松葉の影”・重ねサロン ももいろ

 

40th mon Sakata / 10th Ito Nuno Koromo exhibition

 

1997年3月6日。
20年前のこの日、中村好文さんの設計により装いを新たにしたmon Sakata20周年記念展「糸・布・衣展(いとぬのころもてん)」が開催され、
その展覧会の一部で、初めてのサロンの展示をして頂きました。
徒歩約5分ほどのご主人のお店「古道具坂田」では、全く同じ日程で、「オランダの白釉陶器展」の展覧会が行われていました。
mon Sakataの初日は、どこから人が湧いてきたかと思うような賑わい。
一方、展覧会前夜からお客様が並ばれ、無言の張り詰めた空気漂う古道具坂田。

坂田さんご夫妻にとって記念すべき日であったその時、私達夫婦にとっても、すべての始まりの「3月6日」でした。
数年間憧れを抱きつつ、その一年前に初めて「古道具坂田」を訪れ、百草開店のための準備を進めていました。
そしてきっとこの時が‘生活工芸’の萌芽のときであったと思わずにはいられません。この時を境に、工芸・美術・古道具のジャンルも衣食住も、縦横無尽に軽やかに一つの感性が貫く、そんなことが当たり前の今への歩みが始まったように思えるのです。

あれから20年、mon Sakataは40周年を迎え、「糸・布・衣展」は、10回目を迎えます。一年半後に百草は20周年を迎えます。
これからの10年、20年は、若い世代と一緒に、そして何れバトンを渡してゆくのでしょう。
幸いにも過渡期を実体験した私共の使命は、先達の仕事を伝え繋げてゆくこと、と年数を経る毎に実感しております。

40年の歩みをご覧頂きたく、坂田敏子さんがmon Sakataのシーズンレターとして作られたアーカイヴDMを併せて展示いたします。 その楽しくかっこいい世界に引き込まれ、何故mon Sakataの服たちがこんなに楽しいのか、くたびれる毎に愛着が増すのか、わかって頂けると思います。
     

                      
百草/衣生活研究処 安藤明子

 

 

 

安藤明子(mon Sakataと出会うまで)
1988年、ギャラリー勤務時代、当時現代美術を志すも路頭に迷い始めていた安藤雅信と出会い92年に結婚、安藤の実家に同居。家業の陶器商を手伝いながら、それぞれの創作の道を探りつつ、茶道を通して色々なことを学ぶ。お茶には全ての要素がはいっており、尊敬する師に恵まれ、仲間と「胡乱衆」を結成、「竹の茶会」など茶事をおこなう。この時代にお茶道具屋さんで名品を手に触れる機会を頂いたり、骨董市で色々なものを見、生活や茶事で使うことで、「みたて」の楽しさを知る。そんな頃、平凡社刊「骨董屋さんシリーズ」の中で「古道具坂田」と出会う。巻末の青柳恵介×坂田和實「骨董屋さんの主張」を何度となく読み、これだと確信を持ちながらも子育て中で訪れることができないまま、95年に初めて古道具坂田に伺った安藤が持ち帰った過去のDM「mon Sakata ニット展」に衝撃を受ける。数ヶ月後に、試行錯誤し制作していた「サロン」や上衣を持参し、「mon Sakata」を訪ねる。その一年余り後、お声を掛けて下さり参加した「糸・布・衣展」2日目に、土田眞紀さんと出会う。
 

 

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