40th mon Sakata / 10th Ito Nuno Koromo exhibition
1997年3月6日。
20年前のこの日、中村好文さんの設計により装いを新たにしたmon Sakata20周年記念展「糸・布・衣展(いとぬのころもてん)」が開催され、
その展覧会の一部で、初めてのサロンの展示をして頂きました。
徒歩約5分ほどのご主人のお店「古道具坂田」では、全く同じ日程で、「オランダの白釉陶器展」の展覧会が行われていました。
mon Sakataの初日は、どこから人が湧いてきたかと思うような賑わい。
一方、展覧会前夜からお客様が並ばれ、無言の張り詰めた空気漂う古道具坂田。
坂田さんご夫妻にとって記念すべき日であったその時、私達夫婦にとっても、すべての始まりの「3月6日」でした。
数年間憧れを抱きつつ、その一年前に初めて「古道具坂田」を訪れ、百草開店のための準備を進めていました。
そしてきっとこの時が‘生活工芸’の萌芽のときであったと思わずにはいられません。この時を境に、工芸・美術・古道具のジャンルも衣食住も、縦横無尽に軽やかに一つの感性が貫く、そんなことが当たり前の今への歩みが始まったように思えるのです。
あれから20年、mon Sakataは40周年を迎え、「糸・布・衣展」は、10回目を迎えます。一年半後に百草は20周年を迎えます。
これからの10年、20年は、若い世代と一緒に、そして何れバトンを渡してゆくのでしょう。
幸いにも過渡期を実体験した私共の使命は、先達の仕事を伝え繋げてゆくこと、と年数を経る毎に実感しております。
40年の歩みをご覧頂きたく、坂田敏子さんがmon Sakataのシーズンレターとして作られたアーカイヴDMを併せて展示いたします。
その楽しくかっこいい世界に引き込まれ、何故mon Sakataの服たちがこんなに楽しいのか、くたびれる毎に愛着が増すのか、わかって頂けると思います。
百草/衣生活研究処 安藤明子 |