白釉について |
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1)乳白艶釉
2)青白艶釉(三谷カップ)
3)白マット釉
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定番の器類には乳白艶釉、青白艶釉、白マット釉の三種類の釉薬を主に使用しています。
使い込むことで生まれる貫入や使い艶など、変化していく表情に豊かな味わいを感じて頂ける定番の釉薬です。
1)乳白艶釉は17世紀のヨーロッパで広く使われていた錫釉に着想を得た、柔らかい印象のあるアイボリー系の白い艶釉です。
2)青白艶釉は影青(インチン/青白磁)に似せた青みのある白色の艶釉です。
3)白マット釉は光を反射しないので料理が映えます。マット釉は顕微鏡で見ると表面がデコボコしており、カトラリーの擦れる音はやや大きく、汚れも少し付きやすくなります。
・艶釉は白マット釉よりも油汚れが付きにくくカトラリーの擦れる音も小さいです。
・マット釉の器に金属のカトラリーの傷が付いた場合は300番位のペーパーやすりで取ることができ、茶渋などの汚れは漂白剤で取れます |
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貫入について |
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日常的に使用し味わいの増したコーヒーカップ
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貫入は素地と釉薬の膨張収縮率の違いによって生じる釉薬(ガラス質のコーティング)亀裂のことです。
食器は熱いものや冷たいものを入れる度に膨張収縮します。工業製品は素地と釉薬の膨張収縮率を揃えて、貫入が入らないように製造されていますが、安藤作品では個体差と釉薬の味わいを重視し、敢えて膨張収縮率を不揃いにしています。最初は目に見えない小さな貫入でも、使っているうちに茶や料理などが染み、徐々に見えてくることがあります。旧来より日本では貫入や歪みなどを陶器の「味わいのある見どころ」として楽しんできました。そのようなワビサビの美意識を引き継ぎ、同じように楽しんで頂けましたら幸いです。
・貫入はお客様の好みによって異なりますのでお手元に届いてから10日間以内であれば、交換等のご相談もお受けしております。
・貫入のヒビは素地にまで届いておらず、あくまで表面の釉薬のみに入っているものなので破損ではなく、安心してお使い頂けます。 |
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貫入釉について |
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釉意図的に貫入を入れ、渋で染めた貫入釉
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貫入釉は装飾として意図的に陶器の素地と釉薬の膨張収縮の違いを作って貫入を入れ、焼成後、器を渋に浸けて色付けしたものです。
使用を重ねていくうちに育っていきます。
・使用する前に米のとぎ汁等で器を煮て、貫入のシミ止め処理をされる方もあります
・貫入釉や陶器は磁器と違い、素地に少し吸水性があります。よく乾燥させてから収納して下さい。
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黒釉について |
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黒錆釉(黒カプチーノ)
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黒系の緑墨釉、黒錆釉は大地に含まれる鉄やマンガンなどの金属原料で色合いを調整した釉薬で、どちらもマットな仕上がりとなります。使い始めは食物や手の油分が染み跡として残りますが、お使いいただくうちに全体に使い艶が出て馴染んでいきます。またオリーブオイル等食用油を器全体に塗り込むことで染み跡は目立たなくなりますので、急いで染み跡を馴染ませたい場合はお試しください。
黒錆釉は金属結晶が表面に出ることもあり、最初の内は布巾等に黒い跡がつく場合がありますが、一通り落ちれば付かなくなります。 |
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銀彩について |
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銀彩(ピューターリムオーバル深皿)
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銀彩は本焼成した後、釉薬の上に純銀を上絵焼付したものです。素地が陶器であること以外は銀器と同じで、長期間、ご使用になられなかったり、硫黄分や塩分を多く含む食物、濡れたものを銀彩器に置いたままにしておくと変色(硫化膜)することがあります。変色が気になる場合は指輪等の銀磨液・歯磨粉・重曹などを布につけてお磨きください。
長く使用されて銀彩が剥げてしまったり、器が欠けて素地が見えてしまったりした場合は、銀彩を焼き付け直すことも可能です(有償)。
・長時間、濡れた物を乗せたままにしたり、硫黄分や塩分を多く含む食物の使用で銀彩に染み跡が残ることがあります。
・塩素系漂白剤、電子レンジ、金属たわしのご使用はお避けください。
(高温の食洗機は貫入が入りやすいです) |
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耐熱食器と焼水器について |
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耐熱黒釉(耐熱黒釉グラタン浅鉢)
焼水器
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オーブンだけでなくガスコンロで焼く、炒める、煮るなど様々にご使用いただけます。調理後もそのまま食卓に出していただけますが、保温性が高いのでやけど等には十分にお気をつけください。
耐熱黒釉・耐熱白釉・銀彩の三種を用意しております。耐熱黒釉は使い始めに部分的に油の跡が付きますが、お使いいただくうちに全体に油が行き渡りって焦げ付きも減り、しっとりとした艶が出てまいります。耐熱白釉の方は次第に貫入が入る場合がございます。熱した器の急冷など素地に負担がかかると破損の原因となりますのでご注意ください。銀彩は熱を加えるので次第に銀彩が薄くなります。
焼水器は耐熱の土で制作しており、ガスコンロやアルコールランプにかけてお湯を沸かすことが出来ます。使用後は蓋を取った状態で乾燥させてからおしまいください。電磁調理器には使用できません。銀彩のものは電子レンジ不可。 |
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化粧土について |
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化粧土に青白釉(粉白菊皿)
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化粧土を施している作品は焼締の器と同じで、湿らせた状態と乾燥時とでは色味や雰囲気が違って見える場合がございますが、品質に問題はございません。化粧土の凹凸に擦れた跡など黒い汚れがついてしまった場合は、300番位のペーパーやすりで優しくやこすると汚れを取ることができます。表面は土を焼き締めた状態ですので、釉薬のものに比べて撥水性に劣ります。カビが生えないようによく乾燥させ、風通しの良い場所に保管する等、一層ご配慮いただけますようお願い致します。 |