«Appliqué»
Yuri Noritake
アップリケ|則武 有里
2026.3.14 sat–3.29 sun
11:00–18:00
休廊日: 3.17 tue, 20 fri, 25 wed, 26 thu
在廊日: 3.14 sat 15 sun 21 sat 29 sun
event
nokos à l’étage ノコスアレタージュ 出張カフェ
3.21 sat, 3.29 sun
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ご挨拶
このたび、則武有里さんが15年間作りためたAppliqué (アップリケ)の初めての作品展を百草で開催いたします。
植物が紡がれ績まれ糸になり、織られ布となり、そしてそれぞれの用途で使われたあとの命は、植物のいのちの果ての姿と言えるかもしれません。その中に宿る美しさ〜今では失われてしまった素材、手仕事、生活の中でしか生まれ得なかった美しい姿を愛おしみ、有里さんの眼と心と手により、新たに息を吹き込まれ、それぞれ二つと同じものがない、唯一無二の作品となりました。
独自の感性と世界観から集められた古道具や布、現代の手仕事を紹介する「tisane infusion(ティザーヌ・インフュージョン)」を営みつつ、ご主人のお花屋さんFlower Noritakeのお花や植物たちへの眼差しを布にうつしたアップリケは、有里さんにしか制作できない掛け替えのない素晴らしい作品です。
全て異なる生い立ちがある美しい布々の重なりで成り立つ作品の一点一点は、具象から抽象まで、平面から立体まで形態を問いません。
褪せた色のグラデーションも美しく延々と生み出された、不定形で中綿入りの指の先ほどの作品。花の萼、棘、おしべやめしべなど、ご自身にとっての身近な存在からの造形と取り合わせる布の冴えた感覚。自然の造形美への感嘆がアップリケから溢れています。中には心に浮かんだ思いを糸で綴った文字が縫い取られている作品がありますが、アップリケを作る行為が日常の中での特別な至福の時であり、どれもが喜びや感動の中で手を動かし続け出来上がった作品であることが分かります。DMにも掲載しております下記の英文と和文は、全てご自身のお言葉です。
はたらく布が役目を終え往時の姿がやつれ、退色し陽に焼け「よく残っていてくれた、お疲れさま」と思わず声を掛けたくなるような布を手にしたときに、作家が自在に世界を往き来して生み出した膨大な作品をどうかご覧下さい。
命の煌めきのひとつひとつ、愛おしさの海へ溺れにいらしてください。そして、生活のどこかで景色をつくり、命の花を咲かせる作品と出会いに。
是非、じかに手に取り、ゆっくりと畳や床に座り込んで我を忘れ、ときを過ごしにいらしてください。
百草 安藤明子
則武 友里 プロフィール
1969年 愛知県名古屋市生まれ
古道具
Tisane infusion(ティザーヌインフュージョン)の店主
素材感のあるアイテムを愛し、
生活に根差したアンティークやブロカント
手仕事の生活道具を扱う
企画展や他の作家の展示も行うギャラリーでもある
まだお店を初めてまもない頃は
木のもの、鉄もの、硝子もの、紙、布など
素材としての面白みを愛でられる古道具たちの
それぞれの美しさがどこにあるのか
はっきりとわかりませんでした。
知識が豊富にあるわけではありませんでしたが
お店を続けることで古いものを沢山見る機会に恵まれました
まずは自分の好きだと思ったものを先入観を持たず
選び、見ること、そしてさらに見ること、気づくこと。
良質なものや面白いものが深く見られるよう願い
学びの場を与えてもらい、いまだに力不足ではありますが
その繰り返しの中で30年が経ち
現在進行形で仕事を続けさせてもらっています。
漠然と蒐めていた古布にも
アップリケの出会い後には強く惹かれるようになりました。
現代では考えられない細かい工程を経て作られた裂の素材となる糸、
その糸味の良さを小さな端切れであっても手で直接に触れて
確かめられる事も喜びになりました。
15年ほど前、
たまたま通りがかったギャラリーでアップリケ展が開催されていました。
あの著名な宮脇綾子さんのお弟子さん達の
作品展だったのです。
ガラス越しから色とりどりの野菜たちの頭が見え
吸い込まれるようにその会場へ
アップリケのモチーフは野菜、魚、植物など身近なものたちで
実物より表情が豊かで
古布が活き活きとした姿にカットされ
布の台紙に縫いまつられていました。
平面に丁寧に縫い付けられた布は
静かな静物画のようにもみえました。
新しく生まれた変わった古布への愛しさみたいなものに
私はすっかり魅了され心が動かされてしまいました。
会場にいる私よりずっと年上の先輩たちから
制作のアドバイスもいただき
宮脇綾子さんが本を出版している事を教えてもらい
直ぐに本を購入し見様見真似で創作してみました。
こうして私一人の創造の冒険がはじまったのです。
宮脇綾子さんのアップリケの出会いは
優れた芸術の手本となり
私の心に密かに抱かれる事になりました。
ある日突然、目の前に現れ
手を動かす喜びを与えてくれたました。
創作を初めて15年ほど経ちますが
今もアップリケに夢中です。
せっかく古布で制作でしているので
風化の美しさが作品に出ていたら嬉しいなと思いながら
針を縫い進めています。
今回使用した布は
古い紅白幕を中心に
祝い幟、宣伝幕など働き者の古布を用い作品にしました。
作品はどれも実用的なものではないのですが
出来上がった一枚が誰かの目に留まり
楽しませるものに仕上がっていればとても嬉しいです。
ティザーヌ・インフュージョン @tisane_infusion
則武有里 創作日記 @yuri_noritake