one room exhibition

済州島の民具|竹籠とアルムナン

2026.2.14 sat–3.1 sun
11:00–18:00

休廊日 2.17 tue, 20 fri, 25 wed, 26 thu
百草1階 白部屋
イベント開催日: 2.23(月・祝)

韓国・済州島より、済州の民具である竹籠と済州の木材を用いた木工房「アルムナン」の作品を紹介します。
(企画:百草 安藤明子 企画協力:yoohee project)

古クドク(済州竹籠)

出展内容

竹籠:チャロン(蓋付籠)・手付籠・古いクドク(竹籠)
アルムナン:木工作品(木皿・プレート・花瓶・オブジェ)
済州の古道具・関連書籍 ※一部資料展示のみ
日用雑貨 等

[アルムナン/イ・ジョンイル]

済州島西帰浦市にて、父の代からの木工の仕事を受け継ぎ、済州島の杉や古い木材を使って生活道具をつくっている。工房の名前「アルムナン」の“アルム”は木の一抱えという単位、”ナン"は済州の言葉で“木”という意味。

アルムナン 古材皿

アルムナン オブジェ

ごあいさつ

済州島には、3年前にはじめて訪れました。済州島で見たこと、得たものを日常で使っていくうちに済州島にいつしか心惹かれるようになっていきました。島の成り立ちからの地形・風土、そこから生まれた信仰や暮らしに思いを馳せつつ、未だ出会いも理解もほんの一部に過ぎないのですが、そのほんの一部ですら魅力的な、済州島の文化を紹介する展覧会となれば幸いです。

済州島の竹籠の特徴は、伝統的に日用とハレ、両方の用途に用いられてきた独自の定型であることです。美しさ・合理性・丈夫さを兼ね備え、収容力とともにどんなものを容れても構わないざっくりと受け留めてくれる包容力があり、現代の生活の中で様々に楽しめます。
中でも特徴的で、済州の生活の中で広く親しまれて来た二つの型を、今回ご紹介いたします。
済州島で日用とハレ、両方の用途を持つ道具、竹籠[クドク]は、美しさ・合理性・丈夫さを兼ね備え、現代の生活の中で様々に楽しめます。
手持ちができる平たく頑丈なまるい縁に、ふくらんだおなかと安定感ある広い底面のなんとも愛らしいフォルムに一目で虜になりました。
蓋付籠の[チャロン]は、蓋と身の一対でありながら、それぞれが単独でも使用でき、[クドク]同様やや丸みを帯び角丸四角形の縁は蓋をすると軽くロックされ、手持ちバッグとしても用いられてきました。
済州島唯一の竹籠職人 オ・ヨンヒさんに作って頂いた小振りな[チャロン]は見た目よりも収容力があり、ランチボックスとして、あるいは湯呑みとお菓子を入れたり、茶籠としてお気に入りの道具を組むのにぴったり。生活の中で使われたクドク、チャロン、その他の古民具や日用品も一緒にご紹介します。

今展覧会で初めてご紹介する「アルムナン」は、済州島の杉と古材をつかったものを展示します。「アルムナン」の木工品は作品と呼ぶより作為がない自然物や古道具に近いような存在感。作り手であるイ・ジョンイルさん自身、そのときにある木材に応じて製作をされるため、同じモチーフのものでも大きさや形が異なったり、定型のない自由な形をしていたり。
かぎられた資源の中で身近に手に入る木を使い、乾ききらない木、歪みや割れを孕んだ材を前にしてそれを抑え込むのではなく、成り行きのままに形を与えられたかつての済州島の木工民具に共通する美しさを感じます。

肩の力をいれずに、只そこに在ることが心地良く、見立ての創造性や使い手の楽しみが増す感覚、百草サロンにも通ずるものがあるように思います。

展覧会を楽しんで頂きつつ、暮らしの中に竹籠やアルムナンの木器を取り入れていただけましたら、そしてこの展覧会をきっかけにいつか済州島へ訪れて頂けましたらと思います。

*済州島の関連書籍や古民具(木工品)のコレクションの一部なども展示いたします。

百草 安藤明子

オ・ヨンヒ チャロン(蓋付籠)、手付籠

オ・ヨンヒ チャロン(蓋付籠)、手付籠

スライドトーク「済州島の民具|籠と木工品」|yoohee project・土田眞紀・安藤明子

2/23(月・祝)15時より
入場自由・予約不要

済州島固有の風土と暮らしの中で生まれ使われてきた民具。中でも籠や済州に特徴的な木工品について、その背景にあるものとは何なのか。今昔の写真や収集資料をご覧いただきながら、土田眞紀さんよりご質問、ご感想やご見解を伺い、済州島に惹かれてやまないyoohee projectの3人と共に紐解きます。

※参考資料:『母たちの済州島—姜萬保 写真集(東方出版),『朝鮮の工芸とその芸術』柳宗悦,『제주의 목기(済州の木器)』글 고원종 / 사진 오권준(제주돌문화공원)など

yomeko’s tea stand「済州島のお茶と菓子」

2/23(月・祝)11:00–18:00|茶人 内田良子
予約不要

済州島の自然環境で育ったお茶を茶人 内田良子さんに淹れて頂きます。
展示に合わせてご用意いただいた済州島にまつわる特別なお菓子と一緒に、どうぞお楽しみください。

茶: jeju chanong (済州茶農)
菓子: 内田良子

アルムナン 古材プレート

アルムナン 花瓶(古材)

yoohee project →message

済州島で出会った、テジョン生まれ、済州生まれ、多治見生まれの3人による、楽しいことをする[遊戯]と、各々の名前を文字ったプロジェクト。2024年11月にd news agui gallery「ちょっとしたこと」にて、アルムナン「日々つくるもの」展を開催。
@yoohee.project

土田眞紀|美術史家

1960年、大阪生まれ。三重県立美術館学芸員を経て、現在、帝塚山大学・同志社大学講師。専門分野は、近代美術史、工芸・デザイン史、工芸論。現在は「民藝」を提唱した柳宗悦の工芸論を中心に研究を進めている。主な著書に『さまよえる工藝――柳宗悦と近代』(草風館、2007年)、主な展覧会企画に「柳宗悦展」(三重県立美術館、1997年)がある。
・百草では1998年開廊以来、図録・企画展ダイレクトメールに度々寄稿いただいている(「伊藤慶二展」「古道具坂田 眼の仕事」「蚕衣無縫」「服展/糸・布・衣展( 坂田敏子・安藤明子)」「手仕事の営み」ほか)

内田良子|茶人

2010年より韓国ソウルに在住。幼い頃より裏千家流茶道を学ぶ。茶道をベースに踏まえながら、韓国の工芸作家、韓国の和菓子店、日本の料理家などとコラボレーションし、茶席をもつ。
@seoul_yomeko

茶/제주차농|jeju chanong|済州茶農

済州島西帰浦市にある済州茶農の茶園、「茶岩森:Tea Forest With Stone」では、人間と様々な植物が自然の中で有機的に関わり合い、その関係を通じて持続可能な農業生態系を築いています。
丹精込めて育てた済州のお茶を、いつでもどこでも気軽に楽しんでいただけるよう、お茶の新たな可能性を追求しながら活動しています。
@jeju.chanong

古チャロン(蓋付籠)

アルムナン オブジェ

展覧会に添えて

yoohee project

済州島は、韓国で最も高い山である漢拏山が島の中心にそびえ立ち、その中心から海岸へと、多様な植生と文化が連なっています。強い風と荒れた大地のなかで生きていくために必要な道具は、身近で容易に手に入る素材を用い、誰かの手によって作られてきました。そうして生活のなかから生まれた道具のかたちや、それぞれ異なる作りや素材は、自然で心地よく感じられます。

「アルムナン(아름낭)」さんのお仕事も、そうした流れと通じ合っています。彼の木工は、「創作」という概念から出発したというよりも、手から自然に続く動きであり、日々のルーティンのように暮らしに溶け込んだ行為に近いものです。おおらかな線を持ちながらも、手ざわりの仕上げには繊細さが感じられ、素材である木と完成した物との距離がとても近いことが伝わってきます。彼が語るように、木工とは生まれたときから最も身近にあった「仕事」そのものだと言えるでしょう。物を作るということは、結局のところ、日常のなかで自然に積み重ねられてきた時間の感覚なのかもしれません。

黙々と作ることに専念するイ・ジョンイルさんと、工房に次第に積み重なっていく木の器を携え、旅をするように、私たちが感じた「アルムナン」と済州島を展示として表現してみよう──そんなささやかな思いから始まったのが、yoohee projectの出発点でした。

済州島で古くから用いられてきた穀物用の計量道具である木工民具「ソルバク」や、「クドク(竹籠)」、「チャロン(蓋付籠)」は、形の実用性と美しさに惹かれて収集を始めました。木材についてはアルムナンさんに、そして竹籠については現存する唯一の済州竹籠職人であり無形文化財でもある、オ・ヨンヒ先生からお話をうかがい、済州の博物館や資料などを通して、それらの成り立ちや用途について少しずつ理解を深めてきました。

私たちはそれぞれの縁とタイミングで済州島に集い、自然な流れのなかで今回の展覧会に至りました。済州島の暮らしと、そこから生まれた道具を記憶し、今の暮らしへと大切につないでいきたい、そんな思いでこの企画に携わっています。

代々受け継がれてきた道具には、済州の自然、風土、暮らし、そして心が宿っています。100年以上前の古材であれ、現代の木材であれ、縁あって存在する素材に対し、済州らしい自然な姿勢で手を添える「アルムナン」の仕事にも、同じ精神が流れていると思っています。

この時代において、済州島についてまだあまり知られていないこと、それもまた一方では済州の大切な宝だと私たちは考えます。
私たちと同じく済州島に心惹かれた安藤明子さんと、yoohee projectの純粋な動機から始まったこの場に足を運んでいただき、済州島との出会い、そして心に残るもう一つの出会いが生まれることを願っています。

ソルバク(鉄製)

炭入れ

OYA

本展示に合わせランチメニューの中で、済州の椿油を用いた一品をお考え下さっています。お楽しみに。
@teryori_oya

アクセス

〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16
多治見ICより車で10分
JR多治見駅より東鉄バス13分「高田口」下車1km
tel. & fax. 0572 21 3368
google maps

スケジュール

3.14 sat–3.29 sun “Applique” Yuri Noritake 則武有里
(休廊日はトップページまたはinstagramのカレンダーでご確認ください)