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Critical Point

Day by Day―小島久弥

2023.2.4 sat–3.5 sun
11:00–18:00

休廊日 2.7 tue, 15 wed, 21 tue, 3.1 wed
小島久弥在廊日 2.4 sat, 5 sun, 3.5 sun

《Light NOW – イマココ》 2020年 インスタレーション W.N.project(小島久弥・江藤莅夏)コンペティション「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020」 岐阜県美術館 太陽光、絞りユニット、蓄光塗料など

《Light NOW – イマココ》 2020年 インスタレーション W.N.project(小島久弥・江藤莅夏)
コンペティション「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020」 岐阜県美術館
太陽光、絞りユニット、蓄光塗料など

「星の王子さま」

「少年の目を持ち続けている現代美術作家」という言葉が似合う、小島久弥の2005年以来の展覧会である。前回の個展では百草の床下に広大な景色をジオラマで作り上げ、鉄道模型の電車を走らせて我々を驚かせた。模型電車の先端には映像カメラが取り付けられて走行撮影し、茶室の壁に投影した。ジオラマの景色は床下で完結しているわけではなく床上のギャラリー展示とも繫がっており、車の運転中にタイムマシンに迷い込み、異次元の世界に入っていくかのような表現がなされていた。
端から見ると単なるエンターテインメントのように思われてしまいそうだが、ジオラマには電柱か塔だと思っていたものが砲弾であったり、電車が雪の中を通過する時、床上の回り廊下角に展示してあった雪と軍用トラックを想起させたりと、うっすらと反戦が浮かび上がる仕掛けもなされていた。思い返すと、まるで今の状況を予測していたかのようで、胸に詰まる映像であった。
他の作品にも子供心を持っていないと思いつかないアイデアを駆使した作品が一杯。何が凄いかと言えば、霜が付いたり溶けたり、ガラスの反射など、我々の身近にも転がっている事柄からの思い付きを高度に具現化し、観る側に様々な解釈を起こさせていたことだ。畳を貫通させたガラス棒で光を通して床下と繫げたり、炉口から作品が立ち上がっていたりと、百草の空間を様々な方法で使い切っていたことも見事だった。
18年を経過した今展では百草廊下の雨戸を閉め切り、冬期というこの時期にしか出来ない作品を提示するそうだ。どう新たに百草を使いこなしてくれるか、また子供心を刺激しながら小島ワールドに導いてくれるか、今から期待が高まっている。コロナ下において世界同時に起きていることや、環境問題や気候変動など一朝一夕には解決できないことが山積みだが、小島久弥の自在に目線の高さを変動させ、時空を往き来する感性と作品が、本来人間の持つ多くの感性を刺激し、解決の糸口に繫げてくれることを願うばかりだ。
最後に朝日新聞の折々のことばから。

おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)サン=テグジュペリ 子どもは誰も拒まない。どんな生き物とも差をつけずに語らう。ほんとうの大人になるにはこうした寛ささ、あどけなさを失ってはならない。内なるそれを護りとおしてこその大人である。狭まった視界、眼を蔽う因習の曇り。そんな眼をもういちど開くために、フランスの作家はこの童話を書いた。「星の王子さま(内藤濯〈あろう〉訳)から。
朝日新聞 2022年12月25日 鷲田清一

ギャルリ百草 安藤雅信

《 Critical Point – お化けの正体 》 2018年 インスタレーション 特定非営利活動法人CAS/大阪 プロジェクター、カメラ、日用品、アルミ複合板など

《 Critical Point – お化けの正体 》 2018年 インスタレーション 特定非営利活動法人CAS/大阪 プロジェクター、カメラ、日用品、アルミ複合板など

《 Critical Point – お化けの正体 》 2018年 インスタレーション 特定非営利活動法人CAS/大阪 プロジェクター、カメラ、日用品、アルミ複合板など

《 Critical Point – お化けの正体 》 2018年 インスタレーション 特定非営利活動法人CAS/大阪 プロジェクター、カメラ、日用品、アルミ複合板など

Critical Point — Day by Day

クリティカルポイント“臨界点”とは本来、物質が状態変化を起こすポイントのことで、長年制作のテーマにしてきた。物質のみならず、世の中の転換点。誕生や死の瞬間。また、とても遠くにあると思っていたものが実はすぐ傍にあることに気づいた時、その逆も然り。
今展では太陽の光を使った“カメラオブスキュラ”を発展させたものや、プロジェクターとカメラが生み出す“フィードバック現象”を用いた作品を中心に考えている。折々に触れてポリティカルな、あるいは自然災害に触れた作品を発表してきたが、今回もこの地球上で起きているさまざまな良き悪しき出来事、現象を無視できるわけもなく、それらを鑑みての展開となるだろう。
50歳の節目から手掛けてきたシリーズ 『Thanks mom! 自画自参』。これは母親が残しておいてくれた、自分が幼少期に描いた絵を、今の自分が拡張し描き足していくというものだ。過去の自分と現在の自分が絵の中で出会う。昨年、病を得て余計「まだこうして生きている。生きてこられたこと」に感謝している自分がいる。
すべての人の一日、その当たり前の暮らしが積み重ねられた日々。一人ひとりの日常が世界を動かしている。それを脅かすお化けの正体は?
そうして思う「何でもない日」が、これほどまでに尊かったのだと。

小島久弥

《 白い鳥 》 1963–2018年 Thanks mom! 自画自参シリーズ クレヨン、アルミ複合板 127×90cm

《 白い鳥 》 1963–2018年 Thanks mom! 自画自参シリーズ クレヨン、アルミ複合板 127×90cm

《 白い鳥 》 1963–2018年 Thanks mom! 自画自参シリーズ クレヨン、アルミ複合板 127×90cm

《 白い鳥 》 1963–2018年 Thanks mom! 自画自参シリーズ クレヨン、アルミ複合板 127×90cm

小島 久弥 KOJIMA Hisaya

個展
2018 「Critical Point – お化けの正体」 特定非営利活動法人CAS/大阪
2016 「土の冒険のぼうけん」 W.N.project 岐阜県現代陶芸美術館/多治見
2014 「あっち?こっち?どっち?」 W.N.project 豊田市美術館/豊田
2009 「Critical Point IN ⇄ OUT」 なうふ現代/岐阜
2008 「Critical Point “Re,08”」 ギャラリーエム コンテンポラリーアート/日進 
同時開催:ギャルリ hu: /名古屋
2007 「Critical Point 50≒0」 みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム/美濃加茂
「Thanks mom! Critical Point 50≒0」 i ギャラリー/美濃加茂
2006 「Critical Point」 L gallery/名古屋 
2005 「Critical Point “Re”」 ギャルリ 百草/多治見
2003 「Critical Point」ギャラリーレイ/名古屋

《 臨界点 2018「ヒカり」》 2019年 インスタレーション あいちトリエンナーレ地域展開事業「Windshield Time-わたしのフロントガラスから」 現代美術 in 豊田 喜楽亭/豊田 太陽光、絞りユニット、模型、LEDなど

《 臨界点 2018「ヒカり」》 2019年 インスタレーション
あいちトリエンナーレ地域展開事業「Windshield Time-わたしのフロントガラスから」 現代美術 in 豊田 喜楽亭/豊田 太陽光、絞りユニット、模型、LEDなど  

《 臨界点 2018「ヒカり」》 2019年 インスタレーション あいちトリエンナーレ地域展開事業「Windshield Time-わたしのフロントガラスから」 現代美術 in 豊田 喜楽亭/豊田 太陽光、絞りユニット、模型、LEDなど

《 臨界点 2018「ヒカり」》 2019年 インスタレーション
あいちトリエンナーレ地域展開事業「Windshield Time-わたしのフロントガラスから」 現代美術 in 豊田 喜楽亭/豊田 太陽光、絞りユニット、模型、LEDなど  

〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16
多治見ICより車で10分
JR多治見駅より東鉄バス13分「高田口」下車1km
tel. & fax. 0572 21 3368
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ももぐさカフェ
ルヴァンのパンを用いた軽食メニュー
11:00–18:00 (L.O 17:30) メニュー・席の予約不可

スケジュール
2.19 sun 出張喫茶ミモザ
3.6 mon–3.10 fri 展示替えのため休廊
3.11 sat–3.26 sun one room exhibition「25th TRIPPEN」
3.12 sun 「おん楽の時間1 SUNDAY PROMISE/岡本仁」
岡本敬子トークショー「私の定番」(聞き手 安藤明子)
4.8 sat–4.23 sun 内田鋼一展