1973年 東京都生まれ
1998年 スウェーデン エーランダ島の手工芸学校カペラガーデンに留学
2000年 木工造形作家の元で指導を受け制作を始める
2003年 福岡県糸島市 自宅に工房を構える
幼少の頃、母のアトリエで絵の具や画集などに囲まれ毎日デッサンや版画をしながら過ごしていました。
成長とともに揺らぐ気持ちをトリミングするように、丸めた紙や使い切った絵の具のチューブばかりを描き続けます。それは何かわからないものを掴もうとする自己表現だったのかもしれません。そのうち絵を描くこともやめ、仲間と遊んでばかりの10代を過ごしました。
山や海が好きで旅に出てはバイトを繰り返し、自然と共生していく方法を自分なりに模索し始めます。そんな時にプリミティブアートや環太平洋モンゴロイドの美術工芸文化を扱う仕事に就き、先住民族の物事、自然との関わり方、受け取り方に大きな影響をうけます。
その頃に来日中のスウェーデンのエコヴィレッジの創設メンバーと出会います。ストックホルム市街地に循環型社会を基本とするヴィレッジを作り、彼らは生活していました。
日本滞在中に、自然と生活、芸術の関わりなど連日遅くまで話します。彼らが帰国して1ヶ月後、突然申し込み済の入学書類がスウェーデンから送られてきます。そこには「世界でここしかお前の想いをかなえる場所はない、申し込んでおいたぞ!」
そこで仕事をやめ25歳の時、スウェーデンに渡ります。
家具制作、陶芸、テキスタイル、ガーデンを学ぶクラスがあり、森の中の敷地内で生活を共にしながら技術を学ぶ手工芸学校。家具のクラスに短期間の留学でしたが、当時の僕は家具製作はもちろん工芸に全く興味はありませんでした。興味がないからこそ全てが新しく、そこでの経験は短い時間でしたが、当時の私にとって理想的で、表現と日常が同じ線の上にありその後の進む方向が見えたような気がしました。
皆が家具を作る中、ただただ穴を彫ることに喜びを感じていました。
帰国してから福岡の現代彫刻家、木工家親子のもとに弟子入りをします。そこで理想ばかりの頭をぶっ壊すほどの時間、物作りよりも汗かいて生きることを叩き込まれます。昼間は採石場、植木屋、農家でバイトして、夜になると美術と工芸とは?自分の中にある形とは?そんな話が夜な夜な繰り広げられ、山のような違和感と負けない気持ちと共に3年が過ぎ、30歳の時独立します。
当時から今もですが、自分のしていることが美術なのか工芸なのかよくわかりません。
個展をひらけば、
これは何ですか?
何に使えるのですか?
アートですか?
クラフトですか?
そんな質問がよく聞かれました。
正直に書くと『どうでもいい』です。こんなこと書くと怒られますが、やっぱり『どうでもいいのです』
人からどう問われるより、木の本質的な美しさ強さを求めることの方が重要だと思っています。
僕は美術も学んでいないし、技術もきっちりと学んでいない。
難しい言葉も知識もありません。
若い頃は気持ちばかりでたくさん恥もかきました。
でも好きな風景はあります、光と影の素晴らしさも知っています、美しいものは美しいと言葉にできます。作りたいものも作るために失敗しながら得た経験もあります。
それがオブジェだったり器だったり、それだけです。
きっとこれからも変わりません
安藤雅信
小さい頃から音楽を聴くのも、演奏するのも好きだった。演奏者になる夢は諦めたけど、聴くことは生活に欠かせない。時代と共に聴く音楽が変わっていくと同時に、増えていく。というのは、新旧問わず新たに発見する音楽もあれば、昔から飽きずに聴き続けている音楽もあるからだ。飽きない物には発見があり、それを求めて新しいものも古いものも聴き込んでいく。
音楽も美術も、超絶技巧がいつも話題になるが、僕は心を打たれたことがない。上手下手は耳も目も素通りで、心に響くのはオリジナルを感じるかどうか。簡単に言えば、音を聴いた瞬間、作品を見た瞬間、これは誰々のものだと分かること。それは癖とは違い、作品に必然性というか無駄がないことから分かる。そういうものは飽きないし発見がある。マイルス・デイビスのトランペットも、グレン・グールドのピアノも一小節聴けば、伝わってくるものがあり、演奏者が分かる。どうしたらそのようになるのか、本人達も学校でも教えられないことだろう。ひたすら練習したことには間違いないが。
矢野君の作品を傍らに置き、今展に寄せてくれた彼の文章を読んで、同じような事を求めてきたのではないかと感じた。本人に葛藤している意識があるかどうか分からないが、どうやって生きていこうか、どんな仕事が自分に向いているのか、どういう作品を作ったら良いのかと真剣に悩んできたのだろう。答えを外に求めず、自分の中に探ろうとすると、心の声を聴かねばならない。心に響くことがあれば、まずはやってみる。その積み重ねが作品となる。彼の作品には、そのまんま矢野義憲が刻まれていく。
彼はその対象に木を選んだ。木材に自分をぶつけているのか、木材が語りかけてくるのを待っているのか、いずれにせよ作品を見た時「嘘がないな」と思わせてくれる。気取りがなく、すっと手に渡った人のところに寄り添っていく。見る度に印象が変化し、発見がある。作品が生きているかのようだ。百草では初の個展となり、今までにない空間を作ってくれることだろう。
1部 11:00– / 2部 12:00– / 3部 13:00–
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ももぐさカフェ
ももぐさカフェは常設メニューの軽食とお飲物のご用意です。
11:00–18:00 (L.O 17:30) メニュー・席の予約不可
スケジュール
9.27 mon– 9.29 wed 展示替えのため休廊
9.30 thu– 10.4 mon 常設展
10.5 tue– 10.8 fri 展示替えのため休廊
10.9 sat– 10.25 mon one room exhibition 平澤まりこ+安藤雅信 休廊日未定
10.24 sun– 10.25 mon 交種茶会
10.26 tue– 10.29 fri 展示替えのため休廊