ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
Temporary Exhibition Gallery Permanent Exhibition Gallery Cafe Outline & Access Momogusa Original Masanobu Ando's Work Akiko Ando's Work Published Momogusa Blog.
百草冬百種展 (ももぐさふゆのももくさてん) 東北シリーズ 岩手から
2012年 1月28日(土)− 2月12日(日) 11:00 − 18:00   会期中無休
光原社    てくり/te no te    Holz      舞良雅子     carta
carta 出張カフェ

1月28日(土)29日(日)

カルタは2006年盛岡市にある築90年の蔵を改装し喫茶店としてオープン 店名は「手紙」に由来する
全11席の小さな店内は静かさと安心感が同居する場所として「ココロの温泉」とで呼ばれることも
今展では岩手にちなんだ様々な飲み物とお菓子などをカフェでお出しします またオリジナルのクッキーやレターセットも販売します


会期中 百草カフェも通常通り営業します



光原社
光原社 木・漆工 卵殻張・漆絵・コーヒー豆入 光原社工房
浄法寺塗 岩館隆
安比塗
曲わっぱ 柴田慶信
会津塗
繊維品 ホームスパン 植田紀子
のれん・手ぬぐい 小田中耕一
裂織ベストなど
荒物 すず竹 穴久保ナミ
あけび 中川原信一
山葡萄・手提類 岩手・新潟・会津
くるみ・手提類・ラック 岩手・秋田
マタタビ 会津
鉄器 鉄瓶 薫山工房
まちの編集室 泉田之也 大沼道行 高橋昌子 伊藤正
プラム工芸 東北工芸社 橋本勲 柴田恵 蟻川工房
中村工房 山本実紀 小笠原陸兆 釜定 南部鉄器青年団
まちの編集室
てくり/te no te 陶芸 泉田之也
大沼道行
高橋昌子
伊藤正
木・漆工 木工 プラム工芸
漆器 東北工芸社
木工 橋本勲
スズタケ編み組 柴田恵
ホームスパン    蟻川工房
中村工房
山本実紀
鉄器 小笠原陸兆
釜定
南部鉄器青年団
食品 雑穀各種・味噌・しょうゆ・菓子など

HOLZ
Holz 金属 Holzオリジナル
鉄の箱 大村敏宏
柱シリーズなど Holzオリジナル
木工 箸置・木箱・茶筒・スツールなど 藤澤康
真竹魚籠 宮古の横田かご
染織 タベストリー・コースター・バッグ 伊香英恵
食品 いかせんべい・クッキー 宮古の食品
舞良雅子
舞良雅子 テキスタイル ストール・箱・パーティションなど

残していきたい風景と仕事

シルクロードの途中の国々は、伝わってきたモノを時代と共に更新し改良していったそうだが、日本では正倉院宝物のように当時のまま残すことが多かった。遠方からの来客を大事にもてなす農耕民族の習性だろうか。東北を旅していると、縄文時代や中世、江戸時代の名残を断片的に感じることが多いのは、東北がシルクロードの最終地点とは言わないまでも、伝わってきたモノを大事に取っておく精神性が、まだ残っているからだろう。最初に外国文化が入る九州から見れば、東北は最果ての地であった。しかし、それによって残されたものは、現代では宝物の山である。
 また、民芸が盛んになったのも、中央で作られたものが庶民に行き渡るほど流通せず、自ら作って使わざるを得なかったからであろう。だからか鑑賞工芸より生活工芸に優れたモノが多い。特に岩手は今展の選定に困るほど、多くの作り手たちが在住する民芸の拠点的な場所である。その中で精神的な柱になっているのが、光原社の存在である。

 昭和初期からの歴史を誇り、柳宗悦ら民芸運動の中心人物との交流を続け、作り手にとっても使い手にとっても、中央文化の玄関口であった。店舗だけでなく工房も持つ製造販売の形態や、作り手をきちんと紹介していくその姿勢は、私たち百草にとっても大きな目標であり、宮沢賢治の命名の通り、光を発する原点でありながら原野に光を照らし続けている理想的なお店である。そしてその光の結晶の一つが、年二回ミニコミ誌「てくり」を発行している「まちの編集室」である。岩手の作り手を集めた別冊「te no te」など書籍を中心に、全国に発信する力を付けつつある。本業を持ちながらの発行は、熱意があってのこと。その純粋な熱意は、これから若い作り手達を大いに励ましていくだろう。「Holz」の平山君は店舗を持ちながら、オリジナル製品を地道に開発し、中央とのパイプを持って行動している。木製品を得意とし、また出身地の宮古を新たな視点で見直し、これから活性化させていくだろう。「carta」はカフェに留まらず、秋田と青森を繋ぐ「さんかく座」という作り手と使い手や様々なショップを繋ぐ活動をしている。若い人々の生活全般への関心を、多様性のあるイベントですくい上げ、次への原動力になるよう作り上げている。これから新しい潮流を作り出していくだろう。今回唯一個別の作家として取り上げたのが、舞良雅子さん。東北という地域性を感じさせる作家が多い中、現代美術の感性でテキスタイルに取り組んでいる。糸からの発想の工芸と違い、繭から布になるまでそれぞれの段階を新たな切り口で見せる作品はいつも新鮮である。

 震災後の復興どころか復旧もままならない東北に、少しでもお役に立てるよう東北シリーズを展開し続けていきたい。彼の地に根を下ろし地道に制作を続けている方達と仕事ぶりを手にとって見て頂ければ、物作りの国としての原点を見いだすことが出来るだろう。                                         

百草 安藤雅信
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