ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
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百草冬百種展「鹿児島から」

福森 伸 と しょうぶ学園
中原慎一郎 と さつまもの


2011
1月22日(土)〜2月6日(日)
11:00〜18:00
会期中無休

作家在廊日

福森 伸  1月30日(日)31日(月)
中原慎一郎 1月22日(土)

随分前、ある雑誌の写真に衝撃を受けた。それは針が通らなくなるまで刺繍が施された白いシャツで、力強く、また美しかった。規格外とはねられる下請けの仕事では障害者の為にならないと発想を全く変え、手助けをしながら本人の好きにさせようと立ち上げた鹿児島しょうぶ学園のNUI PROJECTだった。かつて我々も子供の時に持っていた、完成とか評価とかを気にしない純粋な行為の楽しさを思い出した。日本的な慣習に縛られずに仕掛けた福森伸さん。現在では木工・和紙・焼き物・パンと広げ、のびのびとものづくりに集中する姿が印象的な施設である。鎖国とはいえ、長崎・対馬・薩摩・松前と四カ所で交易がなされ、世界の情報にも近かった薩摩魂の継承を感じた。

 加賀藩に続く90万石の大藩だった薩摩は、郷中という武士の若衆を育てる独特な制度を持っていた。中原慎一郎さんが「さつまもの」と称して作家から土産物までを集めてカリフォルニアで展覧会をしていると知って驚いた。まるで郷中制度の名残ではないか。薩摩魂はあちらこちらで生きている。           

百草カフェ
会期中、鹿児島のVOILA(ヴォアラ)のコーヒー、Chanaan(カナン)のパンを使ったランチメニューをお出しします
カナンの焼き菓子の販売も御座居ます
百草 安藤雅信
しょうぶ学園
福森伸
1959
1978
鹿児島生まれ 日本体育大学ラグビー部卒
全国大学ラグビー選手権出場 (同年優勝)
1982
1983
単身アメリカを放浪滞在
しょうぶ学園に勤務 木材工芸デザインを独学し、「工房しょうぶ」を設立 知的障害を持つ人の様々な表現活動を通して、多岐にわたる社会とのコミュニケート活動をプロデュースしている
工房

しょうぶ

1974
1985
大島紬・竹細工・園芸・下請け等の活動開始学園内作業活動を「工房しょうぶ」として活動開始
家具・木の小物・大島紬・裂織・刺し子・型染・竹籠を 中心に制作
刺繍の活動開始、nui projectの原点となる
1988
1990
1992
1993
1995
木の工房設置
土の工房設置
布の工房設置 自由な刺繍を開始
和紙の工房設置
「工房しょうぶ作品展」(福岡 ギャラリーおいし) 2000年まで毎年開催
1996 福森伸木工展「木のかたちnext0」(鹿児島 ホワイトギャラリー)
以後、クラフト、アートの作品展を九州を中心に全国各地で開催

この頃から知的障害を持つ人のものづくりへの姿勢と支援する側の考え方のギャップを強く感じるようになり葛藤が始まる 退職をも考える頃、松本民芸家具の池田三四郎氏の思想に感銘し、ものをつくる制作の姿勢についての転換期を迎える。
「ワンダーアートコレクション」(滋賀 大津歴史博物館)

1997 「アジア太平洋障害者の10年記念芸術祭」(東京芸術劇場)
パン工房カリヨン設置
学園メンバーの刺繍の作品が既成概念を破る自由な表現として注目される。いくつかの展覧会、公募展を経て「アートとクラフト」芸術・文化的活動を主体とした工房しょうぶのコンセプトが定まる。
1999 デザイン室を設置 工房しょうぶ アウトサイダーアート全国巡回展
その後、布の工房を「ヌイプロジェクト」と称して活動を展開 障害者に何かを教えるのではなく、その人の表現活動を手伝うという支援姿勢に転換していく。
2000 刺繍のグループを「nui project」として活動開始
ノーマリゼーションの父といわれデンマークのN・E・バンク-ミケルセンの思想に影響を受けな がら、デイサービスセンター「Doしょうぶ」の設立によって地域福祉という大きな枠の中で、障害者本人が主体的に生きることが「自立」の中心にあるべきだと考えていく。 自由な表現方法によるものづくりこそ、障害の重い人にとってエンパワメント(自己能力発揮の過程)の最大のツールであると確信する。
2001

「nui project stitch on stitch」(佐賀・ギャラリー遊)  最初の刺繍のシャツ展 パーカッションバンドotto 活動開始
不揃いの音をテーマに自由な表現と驚きの音パフォーマンス「otto」、叫びのコーラスグループ「orabu」を結成。作曲とパフォーマンスをプロデュース。

2003

2006
「fabulous fabrics: MADE IN JAPAN」(アメリカ クリエイティブグロースアートセンター)
しょうぶ学園寮改築
快適な暮らしということはどういうことなのかということを約3年間考えるながら、長年の友人である木工作家ウイリアムブラワー氏デザインによる居住施設しょうぶ学園の改築工事完成
2007

2010

FOOD部門を設置 パン工房カリヨンをリニューアル   レストランOtafuku設置
地域交流センター「omni house」設置
人やものコトとの出会いによる新しいものづくりと福祉の拠点づくりとして、そして「衣食住+コミュニケーション」を大きなテーマとして「omni house」をオープンさせる

さつまもの
 

CHIN JUKAN POTTERY
沈壽官窯とランドスケーププロダクツの共同でスタートし、鹿児島の風土に根付いた世界に誇れる巧みな職人達の技術と発想により制作

盛永省治
栗やケヤキ、山桜などの様々な木材から削り出されたボウルは、見る角度によってかわる形のバランスや表情があり、流れる様な木目が特徴

池浪刃物製作所
16世紀種子島に漂着したポルトガル人によって鉄砲が伝えられ、その鍛工技術は連綿として生き残り、家庭金物の「鋏」や「包丁」へと継承

samulo
紀元前の装飾品の石、教会のミサで配られたガラス、古代の銀貨、砂漠の民のお護りなど、旅で見つけた素材をアクセサリーに組み上げている

鹿児島の竹工芸
温暖な気候から良質な竹が育ち、古くから竹細工が盛ん 職人の編み出す模様は、精度が高く、補修しながら長年使い続ける事ができる

秋廣仁
器などの小物から家具の製作や店舗内装まで幅広く手掛け、「手で作るプロダクトデザイン」をテーマに、新しいカタチを追求しつづけている

螢松窯
厚手の地と大らかな絵付けが特徴の帖佐人形は、かつて朝鮮から鹿児島に渡った陶工が帖佐という地で土人形を作り始めたのが起源 戦後再現

KUMIKATA 豊久美子
型や版を用いて文様を染める染色技法である型染めの技法で作品を制作し、蝶など自然界をモチーフとして文様を作っている

OWL
鹿児島市内で雑貨と古本を扱い、独自の視点で集めた雑貨と古書に加え、オリジナルで企画したプロダクトも扱うようになった

松田創意
長野、大分、佐賀で木工と鉄工を学んだ後、すべて自分の手で仕上げ、素材の長所を生かした作品づくりを心がけて2010年Roamを設立

ONE KILN 城戸雄介
「ONE KILN」とは一つの窯という意味 型を用いて成形をする手法で作陶し、磁器ならではの口当たりの良さを目指している

宋艸窯 竹ノ内
織部の緑色や呉須の青色は深みがあり、また皿の端に施された鎬文様がアクセント 控えめで細部にまで気が配られた器を制作

RHYTHM HAND CRAFTED LEATHER
「革本来の風合い」と「丁寧な手仕事」を最大限に生かすデザイン、その全ての工程を一人の職人の手で行っている

大和桜酒造
全て手作りの芋焼酎は生産量も少なく、首都圏では手に入りにくい 大和桜の名入りグラスでお湯割りをのむのが鹿児島のスタンダード

照国神社のオッのコンボ
家族に一つ多く幸福がやってくるという願いをこめて、人数より一つ多く買う「起き上がり小法師」 無病息災を祈願して台所にまつる

鹿児島の食材
鹿児島で農業・畜産・漁業と豊富に揃う食材の中から、ランドスケープ・プロダクツの目線で選んだ食生活を豊かにする品々

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