日 時 12月12日(日) 14:30−15:30 場 所 東栄公民館 百草より徒歩5分 駐車は百草 入場料 1,000円(記念品つき) 要予約 予約終了 Tel. 0572-21-3368 Fax. 0572-21-3369 galerie@momogusa.jp
空から 地上から 7年後に行われる伊勢神宮式年遷宮の準備が進められている。20年に一度、お宮を建て替えてしまう民族だから、日本人は新しもの好きだ。諦めの早い性質は、モンスーン(台風)禍を受ける民族の特徴だと和辻哲郎は言ったが、それをミソギという一つの文化に昇華させ、宗教儀式にしてしまうところは日本文化の面白さだ。人は新しい何かを求めることで命の活性化を図る動物ではあるものの、昨今はミソギでリセットばかり。これでは日本の政治のように、文化はやせ細っていく一方である。時代の流れに合わせつつ積み重ねていくことを、いつ頃から忘れてしまったのだろうか。 明治以降の会社の平均寿命が30年。これは作家やミュージシャンが一代で終わるように、会社も創業者一代で終わることが多いという数字の表れである。分不相応な建物を建ててしまったためか、百草を始める時、ギャラリーは何年続けられるものだろうかと考えた。知り合いの作家やギャラリーなどに跡継ぎのことを尋ねると、「考えたこともない」とか「一代で終わりでしょう」という答えが大抵返ってくる。いや、何か方法があるはずだと模索している時、「100年継続したい」という文字が目に飛び込んできた。何者、本気か。それが皆川さんだった。 盛岡で会う機会を偶然得た際、矢継ぎ早に質問をした。「感性の継続は可能か」「適正の規模はあるか」・・・。どれも即答である上に、予想以上の答えが返ってきた。こいつは本物だ、それに随分先に進んでいる凄い人だと確信した。それから会う度に、考えや疑問をぶつける。「近江商人の秘訣で」で話し始めた途端、「それ三方良しでしょ」と返ってきた時は驚いた。いつも、答えはさりげなく芯を付いて投げ返してくる。永遠の青年っぽい皆川さんだが、おばあちゃんの知恵袋のような経験に裏付けされた深い思考と、鳥瞰できる視点を持つ人である。 皆川さんの凄いところは、会社やブランドの継続だけでなく、デザイン・余り布・バックナンバー・職人など、かかわっている方々やもの全てに気を配り、一過性にせず、使い捨てにもせず、大事にサイクルさせていることだ。それを我々は「つくりの回生」と名付けた。布作りからデザインしているミナならではの小さく残った服地のパッチワーク活動「piece,」、アーカイブスの「arkistot」を京都に続き、東京でも展開し始めたミナだが、その思想を外で共振させて貰えるよう、今展をお願いした。作り手良し、使い手良し、地域良しの三方良しを実践される姿に、これからの資源や環境などの社会問題への答えを見る思いである。積み重ねの土台が作られている現場に、空と地上から今立ち会えることを幸せに思う。
百草 安藤雅信
出展内容 石ころクッション 動物クッション piece, <リメイクの服 バッグ コースター ランチョンマット> スケッチバッグ 巾着 くるみボタン ファブリックボード ブランケット ミニバッグ chouchoのコースターとランチョンマット カット済みのインテリアファブリック リボン 紙コースターセット Laundryの服 ミンクマフラー 靴下 アーカイブのコートやストールなど 書籍 +百草<コラボレーションの器 コラボレーションの衣服>