布の宝石
真木千秋さんのストールを身につけるとき、思う。「布の宝石」と。タッサーシルクといえば・・・美しい働きものギッチャー、野性的でちぢれっ毛のナーシ、乾いた風合いのカティ。きらきらと輝く金糸ムガシルク、黄繭やデュピオン。自ら紡いだ春繭の座繰り糸やそれを藍の生葉で染めた美しい水色。苧麻にナチュラルウール。真木千秋さんによって、自在に組み合わされて生まれる千差万別の布。この世に、こんな美しいものがあったのかと、初めて目にし、触れたとき、思ったものだ。自然の美しさに触れたとき、人は無になって最上のコラボレーションをする。真木千秋というアーティストが突き動かされ、唯一無二の美しい布が次々生み出される。そうして出来たかけがえのない布を手にする私たちも、自然への敬意、それを享受できる喜びと感謝の心が湧いてくる。
既成の価値観で選ぶ宝石ではなく、自分の選んだ「布の宝石」を、身にまとう。贅沢なことのようだが、使い方次第、自在に纏うことができ、自分の体の一部ともなる、身近な存在であることが嬉しい。ワンシーズンどころか、一生楽しめるものである。
[真木千秋さんの新作ストール]
「白に藍の太縞」ストールのヴァリエーション
[安藤明子]
真木千秋さんの美しい春の布を嵌め込んだ、
シルクのサロンと長く着られる子どもサロン
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