ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
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内田鋼一 引出黒茶碗

百草茶会 (薄茶一服・内田鋼一氏の器とコレクションによる)
日時:9月23日(祝・火) 一部16:00  二部17:00
各席10名 要予約 1,000円(税込)
TEL0572-21-3368・FAX21-3369
E-mail  galerie@momogusa.jp

内田鋼一展

2008
9月6日(土)〜9月28日(日)
会期中休廊日 9日(火)・17日(水)・25(木)
11:00〜18:00

作家在廊日:9月6日(土)・7日(日)・23日(火・祝)

ももぐさカフェ
「cafe tomiyama」出張店舗 9月6日(土) 7日(日)
松阪より カフェトミヤマさんにお越し頂きます
カレーのランチやケーキ(無くなり次第終了)をお召し上がり頂けます

通常のももぐさカフェメニュー、ルヴァンのパンを使ったランチは
8日(月)よりお召し上がり頂けます

背負って歩く山道かな

 学生時代に石彫の先生から「欧州、特にイタリアでアーティストはとても尊敬されている。一番いい部屋に泊まれるのは建築家で、二番目は彫刻家だ。建築家が尊敬されるのは、街・建物・家具・調度品など、すべてをデザインできる総合芸術家だからだ。」と何度も聞かされた。その言葉を励みにして学生時代を過ごしたが、見えてくるのは日本の文化事情とのギャップばかりであった。尊敬されるどころか大体仕事がない。
 ギリシャ彫刻など有史以前からの建築や彫刻の伝統の違いといってしまえばそれまでだが、貴族やパトロン制度などお国の事情の違いを考慮せねばなるまい。建築家や彫刻家という言葉は明治時代からであるが、それまでの日本で彫刻家は仏師に、画家は絵師に当たるだろうか。建築家は様々であるが、個人的なレベルとして茶人がそれに近い仕事をしていた。建築・造園・書・料理・花・工芸などに通じ、またトータルなデザイナーであった茶人はその後家元性になり、自由度は失っていった。そして浮上したのが陶芸家である。

 個人名が残る陶芸家のルーツは桃山時代の長次郎と江戸初期の光悦である。長次郎は楽焼という縛りの中で生活を保証される職人的陶芸家の走りであり、一方光悦は茶人の手遊びで、その後半泥子、魯山人につながるアマチュアイズムの陶芸家の先駆けである。何れにせよ陶芸家が、茶の湯との関わりの中で総合性を身につけていたが故に、欧米の芸術家像を背負わされてきたのが実情だと考えている。
 振り返ってみれば明治以降、日本の陶芸家たちは色々なことを背負わされてきた。明治時代はパリ万博に代表される世界に誇る工芸の匠として、戦前戦後は民芸思想の具現者であり職人の鏡として、高度成長期は前衛芸術家として。しかし、日本人が心の底で求めていたものは、最も日本の風土に適し、また西洋コンプレックスを持たないで良い総合芸術家としてであった。

 内田君は「俺は陶芸家じゃない。」と言う。一般的な陶芸家像は先の工芸の匠と前衛芸術家であるから、確かにそうであろう。私の独断では内田鋼一の本質は民芸であるが、背負わされているのは総合芸術家としての陶芸家である。民芸の本質は何もひけらかさないことであるし、アフリカ・アジア・日本の職人仕事をベースにした彼の制作態度は、技術優先の工芸の匠や自己表現中心の前衛陶芸家とは一線を画す。本人が何を求め、どう見られたいかなど一切口にしないから解らないが、求めに応じながら作風を広げていくことを楽しみにしていると思う。ここ数年、茶の湯への造詣の深まりが、古道具のコレクションと共に垣間見える。彼の個展が待ち遠しいのは、背負っている素振りすら見せず、軽々と山道を登り下りしているからであろうか。丈夫な心と身体が羨ましい限りである。

                         百草 安藤雅信

内田鋼一
1969
1990
愛知県名古屋市生まれ
愛知県立瀬戸窯業高校陶芸専攻科修了
三重県四日市市の製陶所にて轆轤の賃挽き職人として働く
以後、海外(ヨーロッパ・東南アジア・西アフリカ・南米等)の窯業地などに滞在し、現地の町・村・部族・家族・個人…それぞれのヤキモノをつくる環境・状況を目の当たりにし、そこから生まれてくるモノの必然性や成り立ちを学ぶ
同時に、それぞれの国・地域の古窯や古陶・土器などの調査に携わり、窯の構造や作り方、焼成方法・土など原材料の造り方や成型方法など、ヤキモノを造る上で根源的かつ初歩的な事を知る
1992
1993
2000
2003


2004

三重県四日市に移り、独立
個展を中心に活動
「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」展(東京国立近代美術館)
「UCHIDA KOUICHI」展(三重県・Paramita Museum)
作品集『UCHIDA KOUICHI』を求龍堂より刊行
静謐なかたち「内田鋼一 Uchida Kouichi」works:2003-2004
(富山県 4th MUSEUM RIVER RETREAT雅楽倶)

2006

2007

「陶芸の現在、そして未来へ Ceramic Now+」(兵庫陶芸美術館)
「SOFA」(ニューヨーク)

スペイン・イギリス・イタリア・オーストラリア・アメリカ・ベトナム・タイ・韓国・中国・台湾・インド・西アフリカ・南米等で制作及び発表
内田鋼一 緑青彩箱花入
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