ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
Temporary Exhibition Gallery Permanent Exhibition Gallery Cafe Outline & Access Masanobu Ando's Work Akiko Ando's Work Momogusa Original Published Momogusa Blog.
企 画 展 企画展リストへ
           村上 富朗
   三谷 龍二          島 るり子
STUDIO 羽65
Maru Factory
百草冬百種展「長野から」
2007 1月27日(土)〜2月12日(月・祝)
11:00〜18:00
会期中無休

作家在廊日 1/27日(土)・28日(日)ももぐさカフェ
百草冬百種展「長野から」メニューはこちらをご覧下さい

島 るり子
STUDIO 羽65
Maru Factory 着物
三谷 龍二 木工
村上 富朗 木工家具
温 石 日本料理
丸 富 蕎麦・料理
ルヴァン ターブル 創作料理
大久保醸造店 醤油・味噌
奥野かるた店 かるた
山の中で考える

 県別「百草冬百種展」第3弾は長野県である。岐阜県の隣であり、同じように海はなく山に囲まれた土地柄なのに、県民性はうんと違う。
 先ずは時間軸。数年前、蓼科の露天風呂で長野県人同士の会話が聞こえてきた。「どこから」「いや、新田です」「ああ、あそこの」。後でその新田の人に尋ねてみた。「新田というのは、やはり農地開放かなんかで戦後の入植ですか」「いや江戸時代、幕末頃だ」「140年経っても新田ですか」「そうだ」。次は行動パターン。伊那地方の人は百草にやってきても建物にすぐ入ってこない。周りの山をぐるっと歩いて植物観察をする。そして報告を受ける。「あそこにアケビがあったけど、まだちょっと早いかな」「入り口の脇に生えているイタドリは茹でて食べると美味しいよ」。手には何らかの植物が既に採集されている。頼もしい方々である。また長野は教育県である。具体的にどんな政策がとられているか知らないが、職種に関係なく誰でも筋の通った持論を、マイクを向けても後ずさりせず、堂々と話し始める。勢いがあり理論的であるので、こちらが口を挟む余地はない。
 しかし、どういうわけか作家を選定したら、長野県人は数人。ほとんどが入植者である。新しい人を受け入れる度量のある県民性でもある。軽井沢の近くに住む村上さんは、繊細ながらしっかりとした作りに県人の誠実さが感じられる家具作家。アーリーアメリカンのウインザーチェアーを中心に今回はお願いした。同じく県人の「丸富」の宮島さんは、この間初詩集を刊行された蕎麦職人。山に入れば食材と同時に、心象風景の言葉も採集してくる山っ子。天然酵母のパンの先駆者である「ルヴァン」の甲田さんも県人。生まれ故郷の上田に支店を出され、噛み甲斐のある味わいと輪郭のはっきりしたラインアップに県民性がにじみ出ている。
 ヒッピーが ’70年代、入植者として長野県に流れてきて、物を作りながらの生活スタイルを持ち込み、地場産業と合体して独自の発展を遂げた木工。その流れを受けて松本のクラフトフェアを創設したメンバーの一人が三谷さん。木の器を現代に蘇らせ、更に洗練したその功績はとても大きい。同じ頃の入植のスタジオ羽65は二人組の女性ユニット。布を自立するものとして捉え、糸や染めの初歩段階から布や道具として形になるまでの階梯をすべて表現にする力を持つ。時には現代美術として、時には身にまとうものに。島さんの美しい形と暖かい焼き上がりを持つ粉引の陶器に、芯の強さと大地のような包容力を感じる。使い勝手の良い食器は食欲をそそる。事実、島さんの料理は人を幸せにしてくれる。若い頃現代美術を志した「Maru Factory」の丸山さんは、鉄の抽象彫刻のような印象の布を作り、刺繍の三原さんと共に斬新な着物を手がける。工房を長野県に移してまだ新しいが、布への接し方が自然に囲まれて一段と深まるのではと期待する。「温石」も最近の入植。白くペイントされた室内で頂く須藤さんの繊細な懐石料理は、夫人の田所さんの絵と同じく細部に命を宿し、新世代の若者の侘びの感覚には舌を巻く。
 教育と自然によって作られた長野県民の人格に、岐阜県人である私はある種の劣等感を持つ。この埋めがたい溝はどんどん広がっている。野性味を持った知性というか、長野は京都とは違う独特の文化を現在進行形で育んでいる。その正体を今回暴きたい。

                       百草 安藤雅信


 
◇Maru Factory 丸山正さんによる「巻き付け」
 1月27日(土) 16:30〜 参加自由
 
(反物や帯を身体にあてがい幾通りものコーディネートを見せる パフォーマンス)



◇丸富のお蕎麦会
 1月30日(火) 第一部 12:00〜 第二部 18:00〜
 要予約 各会限定20名 3,500円(税込・飲物代別)



◇ルヴァン ターブルのコース料理
 2月7日(水)
 第一部 11:30〜14:00 第二部 14:30〜17:00
 第三部 18:00〜20:30
 要予約 各会限定16名 6,000円(税込・飲物代別)



◇温石の茶会 (一汁三菜・濃茶・薄茶)
 2月10日(土)第一部 17:00〜20:00
 2月11日(日)第一部 11:30〜14:00
第二部 17:00〜20:00
 百草茶室 各席5名 要予約 8,000円(税込・飲物代込)



予約受付 1月16日(火)から

 phone / 0572-21-3368 fax / 21-3369

 E-mail / galerie@momogusa.jp
島 るり子
1952 新潟県柏崎市生まれ 小学校時代、ガールスカウトのキャン
   プで山暮らしの楽しみを知る
1970 京都にて修行
1973 丹波にて修行
1976 新潟県柏崎市西山に登窯を築く
1980 結婚 柏崎にて「自然食品と民芸品」の店“なるほ堂”を開店
1989 長野県伊那市に移る
1992 12年のブランクを経てやきものを再開する 同市に穴窯築く
   移転したなるほ堂の一隅に器を並べ“草草舎”OPEN
2000 草草舎一人立ち 各地にて個展・グループ展開催
STUDIO 羽65(飯田竜子・山本里子の仕事)
1980年に染織を中心とする工房“STUDIO 羽65”を立ち上げ、日常使いの布、建築空間でのインスタレーションなど多様な布の表現をしている。95年からは“記憶の森”をテーマとしてコラボレーションし、仕事現場近くの森や雑木林を散策しながら、薄葉、朽葉、樹皮、モールド(沃土)などのイメージを作品化している。最近では織りや野外での展示、畑で藍を育てて染めのワークショップを開催するなど新しい方向も取り入れ、参加者と共に作り上げる仕事もしている。今後も飯田・山本は作品を通して様々なシナジー効果を高めて歩いていきたいと思っている。
Maru Factory 丸山 正
1951 大阪府に生まれる
1967 関西二紀展入選
1973 大阪芸術大学油絵科卒業
1985 型絵染による着物を造り始める
1988 きものデザイングランプリ入賞
1989 各地にて毎年または隔年個展開催
2000 北青山にショップ「Maru Factory」をオープン 伊ミラノ
   のギャラリー「アルテ・ジャ ポネ」にて個展
2002 青山スパイラルガーデンにて深草アキの泰琴とのコラボレ
   ーションによる巻き付けパフォーマンスと個展
2004 日本外国特派員協会(有楽町)にて黒田征太郎のライブペイ
   ンティングと深草アキの泰琴とのコラボレーションによる巻
    き付けパフォーマンス 工房を飯能から長野市大岡の古屋(
    築約140年)に移す 映画「鏡地獄」衣装提供、映画「トニ
    ー滝谷」衣装提供
2005 アサヒ飲料「若武者」CM衣装制作(オダギリジョー) 沖
    縄てんぶす飴(和ギャラリー秋風主催)にて奄美島唄の朝
    崎恵、八重山 民謡・三線の新良幸人、琉球舞踏の志田真木
   とのコラボレーションによる巻き付けパフォーマンスと個展
三谷 龍二
1952 福井市生まれ これといって特徴のない街で、これといって
   特徴のない少年期を過ごす
1971-77  芝居のポスターを作ってみないかと誘われて劇団に入る人
   前に立つなど考えられなかったのに、どうしたわけか舞台にま
   で立つでもこの時の大道具経験が、木に関わる始まりであった
1981 松本市に工房PERSONA STUDIOを開設 といっても団地の六
   畳一間、ここでできる事から始めようと木のアクセサリーを作る
1983 家具を作る友人に刺激をうけ、暮らしに関わるもの作りを考
   える そうした中から陶磁器のように「普段に使える食器」と
   して、木の器を作り始める
1985 クラフトフェアまつもとを友人たちと始め、以後運営に携わる
   このポスターを作ることをきっかけに、彫刻作品の制作を始め
   る(どうも妙にポスターに縁がある)
1996 食器に適した仕上げとしてオイルフィニッシュに加え、漆を
   始める
1995-04  クラフトフェア機関紙「MANO」(手)編集長
2001 器作りの合間に、道具や器をモチーフにした立体や平面作品
   を作り始める
2002 「住む」で絵と文による「僕の生活散歩」の連載を始める
木の椅子工房 ウッドワーカー村上 村上 富朗
1949 長野県小県郡丸子町に建具屋の4代目の長男として生まれる
1964 定時制高校にかよいながら家業の木工業に従事
1975 ニューヨークのキャビネットメーカーで家具の製作 翌年の
   建国200年祭でアメリカンウィンザーチェアーに出会う
1978 園芸家の「自然の中にすべての芸術のパターンがある」とい
   う言葉に惹かれ長野県北佐久郡御代田町に工房を移す
1979 シェーカー家具展(目白三春堂)アメリカで出会ったシェ
   ーカー家具を復元
1980 カントリーファニチァー展(目白三春堂)アメリカの古い家
   具を復元
1983 アメリカン・ウインザーチェアー展(小田急ハルク)ウィ
   ンザー制作の集大成
1984 ニューヨークで彫刻家ドナルド.ジャッドの椅子を製作
1988 木の椅子10脚展 第1回(目白三春堂)100脚展を目指すが4
   回で挫折
1998 第1回暮らしの中の木の椅子展入選(2脚)現代の木工家具展
   (東京国立近代美術館工芸館)に出展
須藤 剛

1972 群馬県桐生市に生まれる
1991 大学入学を機に居を東京に移す
1996 料理人になる決意をし、青山えさきに入店
2004 青山えさきを退店し、料理店こだまに入店 小冊子「一汁
   三菜」の料理担当 田所真理子と結婚 同時に長野県松本市に
   居を移す
2005 自宅を改装し田所真理子の絵の展示スペース                    「tadokorogaro」、2ヵ月後に日本料理「温石」を開店

田所 真理子

1973 宮城県仙台市に生まれ、5歳の時愛知県豊橋市に移り育つ
1990 名古屋の大学で英語を専攻し、卒業後花の仕事に従事する
1997 東京に移り、子供の頃から好きだった絵を学ぶ為、セツ・モ
   ードセミナーに通う
2003 petit culにて個展
2004 札幌 oteshioにて個展 小冊子「一汁三菜」(猿山修デザ
   イン)を出版 雑誌「日々」創刊時よりイラスト担当
2005 「tadokorogaro」「温石」を夫と始める

丸富 宮島秀幸

1959 長野県飯田市に生まれる
1978 足利市「一茶庵」にて蕎麦を修行
1981 飯田市「丸富」(蕎麦屋)で家業を継ぐ
1990 自家製粉を始める
2000 「丸富」を駒ヶ根市に移転 現在に至る

ルヴァン 甲田幹夫

1984 東京・調布で卸しを始める
1989 東京・富ヶ谷にて小売店舗を開店
1992 カフェ「ル・シャレ」を富ヶ谷店に併設
2004  故郷の信州上田に3店舗目を開く
2006 同店にレストラン「ルヴァン・ターブル」を併設 築300
   年の酒蔵を再生し、田舎風のあたたかな食卓を提供

大久保醸造店

1905年創業の味噌・醤油屋 信州松本の気候風土を生かし、醸造過程では博物館的管理手法にて時間をゆっくり吸収して自然体に醸造された醤油と味噌を造る 

奥野かるた店

大正10年 現社長の父、徳太郎 東京都港区芝田村町にて奥野一香商
     店を創業、問屋業務として、百人一首・花札・囲碁・将棋
     ・トランプなどを扱う
昭和20年 戦災にて一時休業
昭和27年  千代田区神田神保町書籍問屋街にて、株式会社奥野商品と
     して業務再開
昭和54年 神保町白山通りに面する現店舗に移転 オリジナルかるた
     として多くの消費者に展示販売する
平成 9年 店舗を全面改装 1階では、オリジナルかるた・百人一首
     ・花札を展示販売するほか、当店所蔵の珍しいカルタを数ヶ
     月毎に並び替え愛好者に展覧し、日本唯一のかるた専門店と
     して近来巷問に伝わる 2階では、チェス・バックギャモン
     ・ボードゲームなど室内遊戯用品を販売する
平成14年 軽井沢にて、「軽井沢小さなカルタ館」を夏季のみ開館 

このページの先頭へ
ギャルリももぐさ 〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16 TEL:0572-21-3368 FAX:0572-21-3369 ■お問い合わせ・通信販売について