積極的な写しへ |
「永仁の壷」事件ではないが、ニセモノには負のイメージが付きまとう。本物そっくりに騙すつもりで作られたものを贋物と呼び、本物に憧れや共感をもって作られたものは写しと呼びたい。正のイメージの「写し」に様々な側面を見る。それをシリーズでこれから御紹介できたらと思う。先ずは家具編。
今回は李朝の棚とシェーカー教徒の家具などの写しに、伊藤慶二さんの器を合わせ展示します。アレンジメントの部分の方が多いのでお気付きの方は少ないが、伊藤慶二さんも写しの名手である。写しといっても単に表面的なものを真似るのではなく、昔の物の技術的な必然性を理解した上での技術の写しである。この作業には深い技術的な理解や古いものの文化的な背景の理解が必要である。和歌の世界では本歌取りといって写しは積極的に理解されるのに、美術工芸の世界では欧米の芸術の影響もあってか、オリジナリティーの方が重視される。写しについて共に考えてみませんか。 |
ギャルリももぐさ 安藤雅信 |
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シェーカー ミルキング・スツール 写し |
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