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FUNKの周辺 6  ファンクビート初体験

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この2枚を聴いたのは、1974年高校2年の時。秋だった。両方とも友人から借りてカセットに録音した。英語の単語はどんどん忘れていくのに、役に立たないこんな事は40年後の今でも良く覚えている。秋の修学旅行で出来るだけお金を使わないように帰り、急いで輸入盤で次作の「スラスト」(突撃)とチック・コリアの「銀河の輝映」を買った。国内盤2500円、輸入盤1800円。高かった。

スティービー・ワンダーの「迷信」のキーボードが奏でるリズムは衝撃的だったが、アルバム全曲そのノリではなかったので、たまたま黒人っぽいビートの曲を入れたんだという認識だった。もちろん、当時、ファンクなんて言葉は知らなかったし、このアルバムはソウル部門に置かれてた。ソウル・ロック・フォーク・ジャズというジャンルしかなく、ジャズの中にクロスオーバーという小さなジャンルが存在していた。サブカルチャー(軽音楽)の多様化が始まった頃である。

ハンコックの「ヘッドハンターズ」は、クロスオーバーミュージックの中では異色であった。クロスオーバーは、ロックとジャズの融合とされていて、チック・コリアのエレクトリックは確かにクロスオーバーだなと分かりやすかったが、ハンコックもマイルスの後を追うように、電化に走ったものの、単なる電化ではなかった。この頃から、黒人達は自信を持ち、白人の後を追うのではなく、自分の音楽を追究するようになったと思う。

カメレオンに針を落とす。「迷信」と同じようなリズムをキーボードで刻んでいるが、ハービー・メイソンのスネアのタイミングが、16ビートで、裏に入っている。ハンコックはフェンダーローズ、ムーグシンセサイザー、クラビネットと何種類ものキーボードを使い分け、まさにカメレオン、変幻自在。次のウォーターメロンマンは60年代にハンコックが4ビートジャズとして演奏していた曲の再演だが、全く別物。イントロはアフリカを意識したもの、それから続く重いリズムがたまらなく良い。ギターで刻んでいるように聞こえるリズムはシンセ。B面の一曲目は「スライ」。やはりそうだよな一目置かれてたのが嬉しい。当時どん底だった、スライを元気づけようとしたのだろう。この複雑なリズムは、8を倍に刻んで16にしただけではなく、黒人達が自覚的に作り出し発展させたものだろう。ジェームス・ブラウンとスライ&ファミリーストーンの功績である。


コメント:4

cafe-shiroiro/ 橋本 崇 15-01-07 (水) 22:18

僕はソウルの畑からスタートしましたので、ハービーハンコックは僕の読んでいたソウルガイドブックに載っていたこのヘッドハンターズからでした。耳がまだ未熟だった僕は初めて聞いた印象は、「とにかくリズムが遅くてシンセの音が気にいらない。」という感じでした。どちらかというと、このアルバムの録音から2年後の75年に同じ面子からハービーを除いて結成された “THE HEADHUNTERS”というグループ の方が好きだったことを覚えています。まさに対照的な内容でファンクの中でもミーターズや初期のファンカデリック路線の方が好きだったからです。又、ウォーターメロンマンも62年の方が好きだったことを覚えています。
ハービーはその後、買ったのは「rock it」の入った FUTURE SHOCK。スラストは飛び越えていました。そして50~60年代のハービーの作品をさかのぼって購入していく、といった流れでした。

今考えると、マイルスのオンザコーナーは歴史を変えた作品としてやっぱりすごいと思います。ハービーも触発されたんだろうなという印象。僕は拒絶反応はなかったにせよ、名盤と認識できるようになるまで時系列に様々な音楽を聴き、その作品の時代背景なども考え、ずいぶん時間がかかりました。
このころからジャケデザインで年代内容が分かるようになってきましたね。

Masanobu Ando 15-01-10 (土) 8:34

橋本様
ハンコックは器用であり、時代を読むのが得意であるが故、スタイルをよく変える。’0年代のハンコックはヘッドハンターズの残像に引き摺られつつ、それを乗り越えようともがいていたという印象を持ってます。”The Headhunters”はハンコックを抜いた同窓会のようなバンドで、僕には少し物足りなかったけど、ハンコックがアーティストとして参加できなかった気持ちも分かる。ハンコックもマイルス・デイビスの黄金クインテットの同窓会をやろうとしてマイルスに断られ、フレディ・ハワードを代わりに入れたV.S.O.Pというバンドを同じ時期にやってます。アーティストはヒット作の殻を破るのが仕事かな。

加藤隆男 15-01-14 (水) 15:37

若い頃はビートの数が大きいほどかっこいいと単純に考えていました。古いジャズは2ビート。新しいジャズは4ビート。ロックは8ビート。16ビートはファンクと言うらしい。そんな解釈でした。自分たちは8ビートで音楽を知り、16ビートとともに育っていくのだと・・・
バンドのスコアは16分音符の解釈で喧々諤々でした。でも黒人たちの演奏しているファンクをコピー、カバーをしてもどうしてもしっくりこない自分がありました。それは未だに解決されません。理論的にはハーフタイムシャッフルと16ビートは違うことがわかっても日本人の自分には黒人のノリは再現出来ないとつくづく実感し最近は納得してしまっています。

Masanobu Ando 15-01-14 (水) 20:53

加藤様
仰っている意味、よく分かります。70年代80年代初頭ことですね。結果、譜面に書けないものがあると分かり、僕はジャズから少しずつ距離を取るようになりました。アコースティック時代のハンコックにこのようなファンキーさがあったとはという感じでした。しかし、黒人のあのリズム感とは違うリズムを、タワーオブパワーは作ったから、凄いですよね。

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