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日本の音楽夜話 2 ノイズ 大友良英 坂本龍一

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大友良英と坂本龍一のつながりは、プロジェクト福島だけでなく、noiseにもあった。このアルバムは坂本さんの2009年の近作であるが、前回紹介したONJOに近似したものを感じるし、大友さんと同じく、長い間音楽を追求してきた人の到達点のようにも思えるものだ。

9月に多治見で開かれた大友さんと僕の対談サブタイトルは「ノイズの向こうまで」だったが、noiseの向こうって何?という話には持って行けなかった。僕の技量不足。

大友さんのノイズの定義は「あなたが必要とする情報をさえぎる要素、あるいはあなたが必要としない情報のこと」。つまり、例え素晴らしい音楽が流れていても、聞きたい人の声の邪魔をしていたら、それもnoiseになるということである。大友さんは「集中して聴くことで聞こえる音と、逆に集中することで聞こえなくなる音がある」とも言っている。これを読んだ時、利休とジョン・ケージを瞬時に思った。狭い茶室の中で煮えたぎる釜の音を聴いている。水指の水を柄杓で汲んで釜に差すと一瞬釜の音が止む。その瞬間、急に茶室を取り巻く様々な生活音が聞こえてくる。釜の音がノイズだったのか、それとも生活音がノイズだったのか。ジョン・ケージは4分33秒という音楽でそれを表現した。ピアニストがステージの脇から出てきて、ピアノの前に座る。ピアノの蓋を開け、何もせず、4分33秒した後、蓋を閉めて脇に去ったという曲だ。ぼくはこの曲を聴いた時、茶室の釜に水と同じ体験をした。

「Out Of noise」良いタイトル付けるなあ。これって「ノイズの向こうまで」と同じじゃないか?

大友さんも坂本さんも、これから音楽とノイズの境界を彷徨っていくのだろう。


コメント:4

cafe-shiroiro/ 橋本 崇 15-01-01 (木) 11:57

「out of nose」とつけられたこのアルバムは坂本龍一が聴きたいと思う音(ノイズ)
を一つ一つ拾い上げ、音楽として構築した作品というコンセプトなのか、人によってはノイズに聞こえるその音にも音楽として成り立つ素材であるという意味なのかなあと、感じました。
作品の中には日常と非日常の音を素直にサンプリングしたものもあれば、人によっては互いにノイズに聞こえ得る自然音とエレクトロニクスを融合させた曲、最初と最後にはピアノソロ(実際はソロではなく他の楽器や音も入っているのかもしれませんが。)もあり、坂本龍一自身がが素直に聴きたい、伝えたいと思える音楽と、表現したい音楽を併せ持つ「ノイズの向こう」なのだと思いました。
又、僕のような一般リスナーにも素直に聞けたので、「ノイズ」という単語は作品の中の謙遜の意味も入っているようにも思えるのは僕だけでしょうか?

一方僕が、ノイズなのかそうでないのか、まだ耳が追い付かない音楽が「フリージャズ」というジャンルです。フリージャズアーティストのライブにも数回行きましたが、ライブパフォーマンスで良さが分かる意外、音楽としてはなかなか僕には難解です。
昔、ある番組でタモリが「簡易山下洋輔」といってピアノをめちゃくちゃにたたきなぐるコントがあって、おそらくコアなジャズリスナーのタモリには良さが分かるからこそ、このようなコントができるのでしょう。敬意を示すために「簡易」なのだと。
ノイズ: 「あなたが必要とする情報をさえぎる要素、あるいはあなたが必要としない情報のこと」
僕のフリージャズの認識はまだまだここで留まっているので、その先にあるものが見えるように又、あらゆるモノの事象の向こうが見えるように日々感性を養っていたいものです。

Masanobu Ando 15-01-01 (木) 17:09

ノイズは意志の問題ということですね。「out of noise」の解説を、坂本龍一と高橋幸宏がしているので、それを読むととても面白いです。ネットで検索できます。
橋本様
フリージャズの草創期、オーネット・コールマンのアルバムを聴くと、今はそれ程フリーに聞こえない。菊地成孔曰く、フリージャズは破壊するためにあり、それ程意味はないと。
経験上、フリーは先の見えない格闘技、レコードで聴くものではないような、ライブに限ります。

加藤隆男 15-01-05 (月) 12:10

「あなたが必要とする情報をさえぎる要素、あるいはあなたが必要としない情報のこと」。「ノイズは意志の問題」!!その通りだと思います。他人に「うるさい!」と言う人は全てとは言いませんが以外に自分の発するノイズに無頓着だったりします。他人に対して「うるさい!!」と言いたく無いので自分が聞きたい音(情報)のボリュームを上げてしまい「うるさい!!」と言われてしまうことがあります。「うるさい!」と言っている人の発する音(ノイズ)が原因なのにな~と思うことがあります。(それを口に出したりはしませんが・・・)

Masanobu Ando 15-01-05 (月) 12:13

加藤様
人間は厄介な生き物ですね。それを逆手に取った、ジョン・ケージはやはり凄い作曲家だったということですね。

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