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FUNKの周辺 5  コンセプトアルバム

1964年3月グレン・グールド、1966年8月ザ・ビートルズ、その日を最後に両者ともライブ活動を止めてしまった。反体制のサブ・カルチャーが力を持ったと同時に商業的にも利用されるようになってきた。ライブの長所・短所のうち、短所が目立つようになった時期でもあったのだろう。両者とも、その後、スタジオ録音で素晴らしい作品を発表するようになる。コンセプトアルバムというのは、シングル曲の寄せ集めではなく、アルバムが一つの作品となるよう構成されているもので、ビートルズは67年に「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」という世界初(諸説ある)のコンセプトアルバムを出した。ダンス音楽であるファンクとコンセプトアルバム?違和感があると思う方は多いだろう。ジェームス・ブラウンがライブ盤を沢山出していることと比較して、スライ&ファミリーストーンはウッドストックは例外として一枚も出してない。スライはラジオDJ、プロデューサー、ソングライターから出発していることもあり、ライブより、スタジオ向きの性格だったのではないだろうか。スライの音作りは、音を積み重ねていくより、間を大事にしているので、凝った作りではないように聞こえてしまうが、当時としては革新的な音作りをしていたと思う。69年頃に発売された「スタンド!」は、黒人たちの差別撤廃運動、キング牧師の暗殺と重なり、象徴的なアルバムとなった。マイルス・デイビス、ジミ・ヘン、ミーターズ、ジャクソン5など70年頃に発表された曲に、スライのSING A SIMPLE SONGのフレーズが流用されている。スライは意識していたのか、していなかったのか、僕には「スタンド!」はコンセプトアルバムに思えるのである。

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コメント:4

cafe-shiroiro/ 橋本 崇 14-08-15 (金) 0:43

人種差別やベトナム戦争の激化等、泥沼のような時代背景から生まれたこの作品は
「stand!」というタイトルの通り、sly本人が伝えたかったことを一つの作品で表現した
正にコンセプトアルバムだと思います。
現在はほとんどのアルバム内のどんなマイナーな曲であっても一曲単位でメディア購入
(ダウンロード購入)ができるようになりつつあって、アルバム単位で一つの作品を聴くという
姿勢が薄れてきているのかもしれません。もしそのような時代の流れだとすると、このような
名盤を目の前にして勿体ないなあと思ってしまいます。
SING A SIMPLE SONGについてはサンプリングやカヴァーを含め、クオリティーで
slyを超えるものはないというのが僕の個人的な意見です。

Masanobu Ando 14-08-15 (金) 7:03

橋本様
このアルバムで一番格好良いなあと思うところは、1曲目のstandの最後のインストルメントのところ。これこそ新しいファンクと思わせるリズム、サックスの音で、黒人達を鼓舞しただろうと思う。コンセプトアルバムがどんどん少なくなっているのは確かに残念ですが、ロバート・グラスパーの「ブラックレディオ」シリーズなど、奮闘しているのもありますね。

cafe-shiroiro/ 橋本 崇 14-08-15 (金) 10:37

1曲目のstand! の最後のサビ、「stand」を本来3回繰り返す部分を2回繰り返した後、
くるぞくるぞ! という一番最後の所でインストのファンクリズムに切り替わる所。
もう本当に頭から湯気が上がるような、正に立ち上がらずにはいられないような
興奮が何度聴いてもあります。分かります。僕もここが一番好きです。
ただ、その後が曲としてもう少し展開が続けばいいのになあ。と思ってしまうほどです。

Masanobu Ando 14-08-15 (金) 11:18

橋本様
確かに残念ですね。ラリー・グラハムがここでスラップベースを弾いてくれていたならもっと良かった。

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