手仕事の営み Ⅱ

Work of our hands vol. 02

2018 9. 1 sat – 9. 17 mon / Open 11:00 – 18:00
会期中無休

オカベマサノリ
在廊日: 9.1–9.9
ビーズのアクセサリー: 古代からの贈りもの

Sissi Castellano
齋藤田鶴子
在廊日:
Sissi Castellano: 9.1 – 9.2
齋藤田鶴子: 9.1 – 9.3
『Mappa(マッパ): ただの小さな四角布』とそれぞれの仕事+百草サロン

Mappe by Sissi
Sissiから明子への手紙
A. 北アフリカ / ガラスビーズ / 10世紀頃
B. ササン朝ペルシャ / モザイクビーズ / 3 – 7世紀頃
C. ササン朝ペルシャ / モザイクビーズ / 3 – 7世紀頃
D. 古代ローマ期 / ゴールド・サンドウィッチビーズ / 紀元前2世紀 – 紀元後3世紀
E. 古代ローマ期 / 銀化ビーズ / 紀元前後
F. 古代ローマ期 / 銀化ビーズ / 紀元前後
G. インダス文明 / エッチド・カーネリアン / 紀元前26世紀 – 紀元後10世紀
H. フェニキア / アイビーズ / 紀元前6 – 3世紀
I. 西アジア / 縞瑪瑙 / 5 – 10世紀
J. 西アジア / アイビーズ / 紀元前20 – 10世紀
K. 古代ローマ期 / ローマンモザイクビーズ / 紀元前後
L. 西アジア / 古代水晶 / – 10世紀
M. 古代ローマ期 / ローマングラスビーズ / 紀元前後
N. イスラム / モザイクビーズ / 10世紀頃
O. 古代ローマ期 / ゴールド・サンドウィッチビーズ / 紀元前2世紀 – 紀元後3世紀
P. 古代ローマ期 / ローマンメロンビーズ / 紀元前後
Q. 古代ローマ期 / ゴールド・サンドウィッチビーズ / 紀元前2世紀 – 紀元後3世紀
R. インダス文明 / エッチド・カーネリアン / 紀元前26世紀 – 紀元後10世紀
S. 古代ローマ期 / ローマングラスビーズ / 紀元前後
T. 西アジア / 縞瑪瑙 / 5 – 10世紀
U. インダス文明 / エッチド・カーネリアン / 紀元前26世紀 – 紀元後10世紀
V. 西アジア / アイビーズ / 紀元前20 – 10世紀
W. 西アジア / 施釉水晶 / 紀元前後
X. 西アジア / アイビーズ / 紀元前20 – 10世紀
Y. 古代ローマ期 / ローマングラスビーズ / 紀元前後

いつも一番寒い時期にご紹介しておりました、オカベマサノリの古代ビーズアクセサリーは、素肌に載せる出逢いをお楽しみ頂きたいと思います。オカベさんの長年の結実である手編み紐により、自分だけのお護りのように日々身に着けることができます。お気に入りのビーズを、そしてそれにまつわる歴史を楽しみにいらして下さいませ。既にお持ち頂いているアクセサリーのメンテナンスも,もちろんこの機会にどうぞ。


→オカベマサノリ

マッパは、日本で言う風呂敷、韓国でのポシャギ。
多様に働く一枚の布に、それぞれが様々な思いを込め、東西のインスピレーションの交流となりました。またとSissiとTaz(齋藤田鶴子)によるそれぞれの作品もお楽しみに。
Mappa同様、多様な布である百草サロンに嵌め込まれたTazの絵画のような布。多様でありつつ、一方でアートピースのような世界観をご覧下さい。


→Sissiと齋藤田鶴子

オカベマサノリ

バクトリア / ステアタイト / 紀元前10世紀–紀元後4世紀
インダス / エッジドカーネリアン / 紀元前26世紀–紀元後10世紀
ササン朝ペルシャ / 銀化ガラス小瓶 / 5–10世紀
バクトリア / ステアタイト / 紀元前10世紀–紀元後4世紀

オカベマサノリ プロフィール
1964年福岡生まれ。30代からアクセサリーを制作。1300年前に作られたチベットのdzi beads (ズィー・ビーズ)と出会ってから、古い時代のビーズに魅せられていく。おもに1000年以上前に作られた古代のビーズを使って、アクセサリーを制作。
暮らしのコーディネーターであり、「沼田塾」を主宰する妻の沼田みよりと共に、暮らしの提案をしている。
全国のギャラリーで個展開催。

オカベマサノリ 展示内容
今回は、ビーズの意匠を楽しんでいただきたいと思います。トンボ玉と言うように、丸い模様がついたビーズはよく見ると思いますが、丸い模様は「眼」を表し、邪を寄せつけない魔除けの意匠です。今回、インダスからバクトリアにかけて作られた白いステアタイトの二重円紋のビーズ、2500年前のフェニキアのアイビーズなどご覧下さい。
また、キリスト以前に作られた「クロス」の模様のエッチド・カーネリアンや、ペルシャのモザイクビーズなども百草のお客様のために集めました4年目になりますギャルリ百草さんでの展示会、どうぞよろしくお願い致します。

→オカベマサノリ オーダー会

Sissiと齋藤田鶴子

Mappa(マッパテッラ)|古いリネンや大麻の布巾

イギリスで過ごした学生時代、長期の休暇には学生寮が閉まってしまうので友人知人の家を渡り歩いて過ごしたのですが、そんな時に手製の風呂敷が大活躍していました。スーツケースの上にひろげればテーブルになり、吊るせば簡単な間仕切りにもなり、タオル代わりに手を拭くこともできれば、いざという時に身のまわりのものをさっと包んで急いで移動する事も出来ました。人の家に泊めてもらう図々しさがありながら、実は慣れない環境で心細く感じる事もあり、そんな時は枕カバーにすれば安心して眠れるという時もありました。風呂敷は私にとって自分自身のテリトリーを作る装置のようなものだったのです。
ナポリの姑は私が必ず風呂敷で衣服を包んでいるのを見て、「マッパテッラなんか持って!」とよくからかいます。ナポリでは昔、マッパテッラという四角い布を風呂敷と同じ様にものを包むのに使ったり、台所で食べ物を包んだりするのに使う習慣があって、それは貧しかった時代の象徴らしいのです。私の風呂敷は貧乏臭く見えるのか~、と一寸戸惑いましたが、海外で暮らす日本人達の旅の荷物を覗くと皆例外なく風呂敷が入っているのを確認し、やっぱりとうなずいてしまうのです。
イタリア語でFare fagottoという言い方があって、文字上は「布で荷を包む」という意味なのですが、立ち去るとか、出発するという意味合いがある様です。四角い布の隅をきゅっと結んで、いざ飛び出すという心情は、風呂敷を常に持ち歩く身の上にとっては親しみのある感覚です。
イタリアには今でも古いリネンや大麻の布を市場などで眼にする事が多く、我が家の引き出しにも親戚や知り合いから譲り受けたタオルや布巾(前述のマッパテッラの類い)があり台所や洗面所で活躍しています。どこのどなたが使ったか分からない古い布、しかもタオルやふきんの類いを使うなんてなんだか信じられない気もしますが、リネンや大麻の布はきちんと洗えば新品同様の清潔さに戻り、しかも使いこんだものはしっとりと体になじむ優しさがあってその魅力にすっかりまいってしまっているのです。ひとつひとつに作り手や使い手の生活が織り込まれていて、見ていてあきることがありません。
私の織る布など、この健康的で丈夫で働き者の布達の足下にも及ばないことは承知しているのですが、ほんのちょっとでもこれらの布へ私なりのつぶやきが返せたら、と四角い布を作っています。

齋藤 田鶴子 (Taz)

Sissi Castellano

Sissi プロフィール
イタリア人建築家。ヨーロッパのリネンと大麻の織に長年携わり、イタリアの地方の伝統、衣服とライフスタイルについて研究。2011年より夫のステファノ・パンコネーシとともに北イタリア、ピエモンテの古屋敷にてカーサクレメンティーナ設立。テキスタイルの技術や天然染料の染め技術を若い人達に教えている。


Sissi 展示内容
手織り多様布“Mappa”。リネンや古い大麻の糸を使用。天然染料、中部イタリアに伝わる錆染め。
“Lady’s pocket”手織りポケット。リネン糸、馬毛使用。
古代の身装具からインスパイアされた真鍮、銀製のピン。
マイクロブック(“Mappa”“Lady’s pocket”“Italian Indigoについて”)。
食卓に供す古い道具類。古い‘Mappa'。

→ホームページ
→ブログ

齋藤田鶴子

百草サロン taz*momogusa / mappa “kabe texture 茜”
手紡大麻、手紡シナ、手紡亜麻糸使用。茜染

齋藤田鶴子 プロフィール
織物作家。主にリネン、大麻といった靱皮繊維を使って織物制作。英国サリーインスティテュートオブアートアンドデザイン大学院時代より靱皮繊維について研究。
日本、イギリス、イタリア各地で作品を展示。ヨーロッパ、日本のデザイナーとのコラボレーション多数。現在イタリア、ローマ在住。


齋藤田鶴子 展示内容
手織り多様布“Mappa”、および“Mappa”を使用したブラウス、包み布。ショール、スカーフ類。
ビンテージ“Mappa”、アンティークの大麻布の反物 等。


→写真トーク・座談会

イベント・ももぐさカフェ

Mappa in old paint
Mappa in old paint

オカベマサノリ オーダー会
9月 1日(土) – 9月 9日(日)
在廊中、お好きなビーズやパーツを組み合わせてのオリジナルなアクセサリーをオーダーできます。以前選んで頂いたアクセサリーのメンテナンスも承ります。
毎日11時よりオカベさんによる古代ビーズのミニトークがございます。

写真トーク・座談会
「Mappa(マッパ)と、Sissiさん・田鶴子さんの仕事について」

9月 1日(土) 14時 – 15時30分
Sissi Castellano / 齋藤田鶴子 / 安藤雅信 / 安藤明子
司会進行: 土田眞紀
会場内に、リネンの糸づくりの工程を一部ご覧頂けます

土田眞紀 プロフィール
1960年、大阪生まれ。帝塚山大学・同志社大学講師。
大阪大学大学院にて西洋美術史を専攻。
1987年から1999年まで三重県立美術館に学芸員として勤務。
その後はフリーで展覧会企画や執筆活動に携わる。
専門分野は、近代美術史、工芸・デザイン史、工芸論。現在は「民藝」を提唱し た柳宗悦の工芸論を中心に研究を進めている。
・主な著書『さまよえる工藝――柳宗悦と近代』(草風館、2007年)
・主な展覧会企画「20世紀日本美術再見」シリーズ(三重県立美術館、1995年~)、「柳宗悦展」(三重県立美術館、1997年)
・百草では1998年開廊以来、図録・ダイレクトメールに、度々寄稿いただいている(「伊藤慶二展」「古道具坂田 眼の仕事」「蚕衣無縫」「服展/糸・布・衣展( 坂田敏子・安藤明子)」「手仕事の営み」)

ももぐさカフェ
イタリアから展覧会に参加くださるSissiさんのアイデアを取り入れた「手仕事の営み」展メニューをお楽しみに。(ランチは限定数となります)

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