ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
Temporary Exhibition Gallery Permanent Exhibition Gallery Cafe Outline & Access Masanobu Ando's Work Akiko Ando's Work Momogusa Original Published Momogusa Blog.
企 画 展 企画展リストへ
大橋歩 版画シリーズ
大橋 歩とアルネ展
2009 12月12日(土)〜12月27日(日)
11:00〜18:00
会期中無休

大橋歩 在廊日 12月12日(土)

大橋歩 平面作品 立体作品 著書(新本・古本)
イオグラフィック オリジナルグッズ・出版物(Arneほか)
「あかね会」イオグラッフィック2009オリジナルマフラー


Arne登場の作家のしごと
小鉢公史(彫刻/カッティングボード他)
コム・デ・ギャルソン(服・鞄・靴)
藤原千鶴(ルームシューズ)
三谷龍二(木工)
まっちん(菓子)
MIA’S bread(パン)

ミアズ&まっちん 出張店舗(inももぐさカフェ)
12/12(土)
ミアズブレッドのサンドイッチ(カフェのみ)/パン(販売のみ)
まっちん(販売のみ)
12/13(日)
まっちん(カフェ/販売)
12/20(日)
まっちん(カフェ/販売) ミアズブレッド(販売のみ)
12/23(水・祝)  12/27(日)
まっちん(カフェ/販売)

ももぐさカフェ
12/12(土)は、MIA’Sサンドイッチとドリンクでランチを召し上がっていただけます
上記出張店舗中も、ルヴァンのパンと通常メニューをご用意しております
(勝手ながら 企画展のランチはお休みさせていただいております)

phone / 0572-21-3368 fax / 21-3369
E-mail / galerie@momogusa.jp

生活の観察

 何年か前、台湾・韓国・香港からの問い合わせが続いたことがあった。21世紀になって、ミニマムで侘びた感じの生活工芸系の作家や、それを特集する雑誌が活躍し始めた頃である。てっきり日本だけのムーブメントだと思っていたが、台湾の人から「団塊世代ジュニアは日本だけではないですよ」と聞いて妙に納得した。世界大戦直後のベビーブーム、そして、そのジュニアたちは、どちらも世界的に同じような志向を持っているようだ。
 ベビーブームの尻尾に振り回される青春時代を私は送ったが、’70年前後の団塊世代のサブカルチャーは様々な意味で影響が大きかった。そんな巨大な塊のちょっと先に走り、客観的かつ冷静に歩んでこられたのが、ボブ・ディランであり、川久保玲であり、大橋歩であると思う。大橋さんは「半歩先を行く」と仰っているように、まだ無自覚なベビーブーマー達の行動や趣向を後ろの目で見ながら顕在化されてきたのであろう。

 私が初めて大橋さんのイラストに触れたのは10代半ばであった。男か女か分からないよう「歩」というペンネームにされたそうだが、直感的にその時、大橋さんは女性だと思った。巷に溢れていたイラストと、大橋さんの絵は全く違っていた。背伸びすれば届きそうな気がする日本人の日常が題材であり、画風がパステルで柔らかく生活の空気も感じられた。生活の絵本・宝島などのイラストは、団塊の世代の’60年代的な刺々しさがなくなり、これからどう生きていこうかというささやかな提案が表されていて、一言で言い表せば、それらは男の見栄張りを除いた「嘘のない絵」であった。そこに母性というか女性的な優しさを感じつつ、これからの指針として、当時大橋さんが関わっておられた雑誌を手に入れ読んでいた。

 だから、昨年末アルネの取材の話を頂いた時、とても嬉しかった。百草に来られて、さて取材は何時始まるのかなあと思っていたら、もう取材は終わっていた。挨拶したときから、大橋さんの観察と取材は始まっていたのだ。下準備も本番もないから、当然やらせも作り笑いもない。そうか大橋さんはこうやって歩んでこられたんだと納得した。鼻をくんくんさせながら、自分の興味のあるところを瞬時に切り取り咀嚼し編集して、すぐ次に行かれている。大橋さんは「大体7年位でやり尽くしたような気がするの」と、作風を確立しても固執せず、イラストレーター・エッセイスト・編集者・ギャラリスト・現代美術家とその時思いついたことを、全てされてきたのではないだろうか。足元にも及ばないが、同じような活動をしてきた者として、アルネの終止符に、何時までも歩を止めないアーティストとしての本性を見る。

 今展は三重県立美術館の大橋歩展の後を受け、多面性を垣間見つつ、21世紀の活動に焦点を当てた。アルネに掲載された作家たちにも御協力いただいて、大橋さんの新しい門出を祝福したい。
                          安藤雅信
大橋歩
1940
1955
1960
三重県安濃郡(現・津市)に生まれる
絵画教室に通い、水彩画を習い始める
多摩美術大学油絵科に入学 文芸部で高田喜佐に出会う ファッション研究会を作る
1962 イラストレーター河原淳氏のゼミナールに通い、指導を受ける
1963
1964
「メンズクラブ」イラストを受注する
「平凡パンチ」創刊 創刊号から’71年まで390冊表紙を手がける
この時からペンネーム・大橋歩を使用
1966 美大の同級生で彫刻科の石井厚生と結婚 ニューヨーク・パリ・ロンドンを長期旅行
1967
1970
1974
長男を出産 母が上京し、同居を始める
「アンアン」創刊 イラストとともに、初めてエッセイを発表
「生活の絵本」表紙(’74年11月〜’77年11月)
1975
1980
1981
「宝島」表紙(’75年1月〜’77年12月)
ピンクハウスのポスターやDMを10年間手がける
「スタジアム」を青山に開店 ナイトウェアやステーショナリー等を販売 ‘85年閉店
「クロワッサンの店」の商品開発に携わる(〜’00年)
1983
1984
1988
1996

東京ガスの新聞広告でADC賞を受賞
「大橋歩・石井厚生展 HORIZON」(共同展・TDS)
「鉛筆画展」(個展・TDS)
「イスとハイヒールへのオマージュ展」(個展・ペーターズショップ&ギャラリー)

1998
1999
2001

「君だけ好き」(銅版画展・ギャラリーサンキエーム)
「イシイクミコ展〜at HOME」(個展・ギャラリー山口)
「村上ラヂオ」装画・挿絵(村上春樹著・マガジンハウス) 「模倣犯」装画(宮部みゆき著・小学館)

2002 季刊誌「アルネ」創刊 企画・取材・写真撮影・編集までをひとりで手がける (’09年12月終刊)
2005
2007

「人形展」(グループ展・ギャラリー山口)
仕事場を世田谷区駒沢に移転 イオギャラリー、ショップを併設
「大橋歩版画展?アルネヤコブセンの道具たち」(イオギャラリー)

2009 「大橋歩展 平凡パンチからアルネまで」(三重県立美術館)
アルネ登場の作家より
小鉢公史 1961年長崎県島原市生まれ 多摩美術大学大学院美術研究科修了後、イタリアフィレンツェにて数年間滞在し、制作する

コム・デ・ギャルソン 川久保玲によって1969年創立

藤原千鶴 1971年長野生まれ 文化服装学院卒業後、Zakkaで布物制作などに携わ
その間モゲワークショップで靴作りとルームシューズ制作を学ぶ
和菓子工房 まっちん 1975年生まれ 無農薬の米作りに始まり、2004年三重の自宅の一角で工房オープン 今年店舗を閉鎖して、全国のイベントに参加
ミアズブレッド 大橋さんの影響を受けイラストを始めるが、いつしか形・色・味を
        絵を描くようにイメージしたパンを
作るようになり、1997年店を奈
        良にオープン
三谷龍二

1951年福井市生まれ 1981年松本で工房PERSONA STUDIO設立 1985年クラフトフェアまつもとを友人と立ち上げる

このページの先頭へ
ギャルリももぐさ 〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16 TEL:0572-21-3368 FAX:0572-21-3369 ■お問い合わせ・通信販売について